Sasayama's Watch & Analyze


2018年8月22日

北東アジアに蔓延し始めたアフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)ーー日本は大丈夫か?

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いよいよ、アフリカ豚コレラ・ウイルスは、ロシアから中国へ

 

昨年3月からロシアのシベリア地方でも蔓延しはじめたアフリカ豚コレラ・ウイルスが、中国遼寧省瀋陽市の養豚繁殖農場に侵入したのがわかったのが、今月8月1日(現地養豚場では、6月半ばから症状を示していたという。)だった。

ECTADの獣医Wantanee Kalpravidh氏は、「瀋陽のASFV感染は今年3月から」とも言っているのだが、真相はまだわからない。

 

ロシア及びその周辺国の状況

今年に入ってのロシアの状況

それに先立つて、ロシアでは、すでに今年に入ってから7月までに 38例の発生を確認している。
主な発生場所は、カリーニングラード、ノヴゴロド、サラトフ、トゥーラ、モスクワなどである。
先月には7月16日と22日に、二例の発生を見ている。
ロシアでの7月一例目はBelgorod OblastにあるRusagro(ルサグロ社)というロシア第三の大手食肉会社の種豚農場での発生であった。
このRusagro(ルサグロ社)の関係施設での発生は、今回が初めてではなく、昨年9月5日にも同じBelgorod地域で発生を確認している。

ちなみに、2007年以降、日本は、ロシアからの生および熱処理加工された豚肉、牛肉、羊肉、および家禽の肉の輸入禁止措置が講じられている。

ただ、このルサグロ社については、中国の北東に養豚場建設のために10億ドルの投資をしたり、沿海地方(プリモルスキー地方)でのプロジェクトを活発化させたりして、ゆくゆくは、中国そして日本のマーケットも視野に入れているとの報道もある。

参考「RusAgro pushes into China by building pig farms

ほとんど感染され尽くされようとしているヨーロッパ大陸

アフリカ豚コレラ ウイルスのヨーロッパ大陸への上陸は、二期に分かれる。
第一期は、1957年から1990年半ばにかけての侵入であり、第二期は、2006年末から2007年にかけての東ヨーロッパへの侵入である。

第一期の時は、スペイン,フランス,イタリア,マルタ,ベルギー、オランダに侵入し、1990年半ばにようやく撲滅を果たした。

第二期の侵入は、東ヨーロッパから始まり、2006年末からのジョージアへの侵入が最初と言われている。。

2006年末から2007年にかけて、黒海のポティ港に寄港した船のゴミを通じて、ASFVは、南アフリカからヨーロッパ大陸に初めて伝搬し、まづ、ポティ港のあるグルジア(現在のジョージア)に侵入した。

そこから、ASFV感染は、ロシア(初発2007年春)、そして周辺の各国にも及んでいった。( 括弧内は初発年)

ジョージア(2007)→ロシア(2007)、アルメニア(2007)→アゼルバイジャン (2008)→ウクライナ(2012)→ベラルーシ(2013)→ポーランド(2014)、エストニア(2014)、ラトビア(2014)、リトアニア(2014)→モルドバ(2016)→チェコ(2017)、ルーマニア(2017)→ハンガリー(2018)、ブルガリア(2018)

へと、である。

参考「African Swine Fever in Europe – Evolution in time

特に、ウクライナでは、6月に14.18.23日の三例、7月に3日.30日の二例と、感染が急速に拡大しているようだ。

これらの国々と国境を接しているドイツなど、各国への感染拡大が懸念されている。

なお、ブルガリアは、ついこれまでは未感染国であったが、8月31日についに感染国となってしまった。

ルーマニアの国境に近い、プロヴァディアのTutrakantsiという村のようである。

ブルガリアは、これ以上の感染拡大を防ぐために、ルーマニアとの国境に柵を設ける予定とのことである。

更に、9月13日、ベルギー政府は、ルクセンブルグ国境に近いリュクサンブール州ヴィルトン行政区エタルで、二頭の野生イノシシから、ASFVが発見されたと発表した。

ここは、チェコから500Km、ハンガリーから800Km、ルーマニアから1200Km。

ドイツ・フランスとも国境が近いため、西ヨーロッパの各国は、ASFV侵入の脅威にさらされている。

なお、フランスは第一期発生時に根絶済なので、このウイルスがどこから来たのか?またジャンプしたのか? に関心が集まっている。。

参考「SPECIAL ANNOUNCEMENT: ASF CONFIRMED IN BELGIUM

 

なお、ヨーロッパ大陸全体では、2007年の初発以来、2017年7月までに、5,445例があり、うち903例がロシアであった。

 

2018年5月までの状況は、サイト「Overview of ASF situation in EU

最新の状況については、「EURL-Aflican swine  fever (ASF) activities 2017-2018

を、ご参照

地図上での確認は「Disease outbreak maps – OIE」からどうぞ。

使い方は

「Terrestrial」で「African Swine Fever」を選択
「Choose a species」で「Swine」を選択。「OK」クリック
「Period From」で、表示対象期間を選択。「OK」クリック
ピンク色の「Legend」をクリック→マップに表示
マップ表示の丸印をクリック→地域名や状態詳細がポップ・アップ

 

 

ASFは、ついに、ウラル山脈を超えた

ロシア連邦動植物衛生監督庁(VPSS)によると、2017年初頭以降 年末までに、121例の豚、21例の野生イノシシに、アフリカ豚コレラ(ASF)が確認されている。

発生以降、疾病撲滅措置として80万頭が淘汰されている。

2016年は豚222例、野生イノシシ76例だった。

近時のロシアでのASF発生地域の変化で特記すべきは、これまでの発生地域が、ロシア中央地域や沿ボルガ地域だったものが、ウラル山脈を超え、イルクーツク(2017年3月18日)→オムスク(2017年7月4日)→クラスノヤルスク(2017年10月2日)→チュメニ(2017年11月2日)へと、シベリア地域にまで飛び火し、今後、中国への感染までも、視野に入れざるを得ない状態に変化したことだった。

参考「Russia 2017 Livestock and Products Annual」「African swine fever in Russian federation current epizootic situation and control

参照 2017年から2018年7月にかけてのシベリア地方におけるASF発生例一覧

ウラル連邦管区

チェリャビンスク
2017年10月30日
チュメニ州

2017年11月2日
ヤマロ・ネネツ自治管区

2017年11月12日

シベリア連邦管区

オムスク州

2017年7月6日

2017年7月23日~7月29日

2017年8月12日~8月16日

2017年8月16日

2017年8月27日

2017年10月6日

クラスノヤルスク地方

2017年10月2日

イルクーツク州

2017年3月18日

極東

なし

 

中国の状況

中国では、今日(12月21日)までに、合計97例目の発生(うち2例は野生イノシシへの感染例)が確認されている。

場所は、

一例目 遼寧省瀋陽市(8月01日)

二例目 河南省鄭州市(黒竜江省チャムス市経由)(8月14日)

三例目 江蘇省連雲港市(8月15日)

四例目 浙江省温州市悦清市(8月17日)

五例目 安徽省蕪湖市南陵(8月29日)

六例目 安徽省宣城市宣州区(古泉镇)(9月2日)

七例目 安徽省宣城市宣州区(五星郷)(9月2日)

八例目 安徽省 宣城市 宣州区(金壩)(9月3日)

九例目 江蘇省無錫市宜興市(9月3日)

十例目  黒龍江省佳木斯市(ジャムス市)(長青)(9月5日)

十一例目 安徽省徐州市鳳陽県(9月6日)

十二例目 黒竜江佳木斯市(ジャムス市)(向阳区)(9月6日)

十三例目 安徽省蕪湖市南陵県(9月6日)

十四例目 安徽省宣城市宣州区(天湖街道)(9月6日)

十五例目 安徽省銅陵市(9月10日)

十六例目 内モンゴル自治区シリンゴル盟アバグ旗(9月12日)

十七例目 河南省新郷市獲嘉県(9月14日)

十八例目 内モンゴル自治区シリンゴル盟ショローン・フフ旗(9月15日)

十九例目 吉林省公主岭市 南崴子镇(9月17日)

二十例目 内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗(9月20日)

二十一例目 内モンゴル自治区フフホト市(9月22日)

二十二例目 吉林省松原市長嶺県(9月28日)

二十三例目 遼寧省営口市大石橋市(9月28日)

二十四例目 遼寧省営口市老辺区(9月28日)

二十五例目 遼寧省営口市大石橋市(高坎镇)((10月7日)

二十六例目 遼寧省営口市大石橋市(旗口镇) (10月7日)

二十七例目 遼寧省営口市老辺区(路南镇)(10月7日)

二十八例目 遼寧省営口市老辺区(边城镇)(10月7日)

二十九例目   遼寧省鞍山市(台安県)(10月8日)

三十例目 遼寧省大連市(普蘭店区)(10月11日)

三十一例目 遼寧省鞍山市(台安県)(10月12日)

三十二例目 天津市(蓟州区)(10月12日)

三十三例 遼寧省鞍山市(台安県)(10月14日)

三十四例 遼寧省锦州市(北镇市)(10月14日)

三十五例 遼寧省盘锦市(大洼区)(王家街道曙光村)(10月14日)

三十六例 遼寧省盘锦市(大洼区)(王家街道王家村)(10月14日)

三十七例 遼寧省铁岭市(开原市)(庆云堡镇)(10月15日)

三十八例 遼寧省盘锦市(大洼区)(清水镇)(10月15日)

三十九例 遼寧省盘锦市(大洼区)(王家街道)(10月15日)

四十例 遼寧省盘锦市(大洼区)(西安镇)(10月16日)

四十一例  山西省大同市(左云县)(10月17日)

四十二例  雲南省昭通市(鎮雄県牛场镇)(10月21日)

四十三例 雲南省昭通市(鎮雄県母享镇)(10月21日)

四十四例 浙江省台州市(三門県)(10月21日)

四十五例 湖南省益陽市(10月22日)

四十六例 湖南省常德市(10月22日)

四十七例 貴州省畢節市(赫章県)(10月25日)

四十八例から五十例 貴州省畢節市(七星関区)(10月26日)

五十一例 湖南省常徳市(桃源県)(10月28日)

五十二例 山西省太原市(陽曲県)(10月30日)

五十三例 湖南省懐化市(沅陵県)(10月30日)

五十四例 雲南省普洱市(思茅区)(10月30日)

五十五例 山西省太原市陽曲県(西凌井乡)(11月3日)

五十六例 重慶市豊都県(興義鎮)(11月4日)

五十七例 湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州(保靖県)(11月5日)

五十八例 湖北省羅田県(11月7日)

五十九例 湖南省婁底市(漣源市)(11月8日)

六十例 江西省上饒市(万年県)(11月8日)

六十一例 吉林省延辺朝鮮族自治州竜井市(城廂区)(11月8日)

六十二例 福建省莆田市(城廂区))(11月8日)

六十三例目 安徽省池州市(青陽県)(11月9日)

六十四例目 湖北省黄岡市(武穴市)(11月12日)

六十五例目 湖北省黄岡市(キ水県)(11月15日)

六十六例目 四川省宜賓市(高県)(11月15日)

六十七例目 吉林省白山市(渾江区)(11月16日)-野生イノシシ感染例

六十八例目 雲南省昭通市(威信県)(11月16日 )

六十九例目 江西省上饒市(ハ陽県)(11月17日)

七十例目 雲南省昆明市(呈貢区)(11月17日)

七十一例目 四川省成都市(新津県)(11月17日)

七十二例目 上海市金山区(11月17日)

七十三例目 黒竜江省ハルビン市(道外区)(11月19日) 

七十四例目 湖南省懐化市(鶴城区)(11月19日)

七十五例目 北京市 房山区(青龍湖鎮)(11月23日)

七十六例目 北京市 房山区(琉璃河鎮)(11月23日)

七十七例目 内モンゴル自治区包頭市(ホンドロン区)(11月23日)

七十八例目 湖北省黄石市(陽新県)(11月25日)

七十九例目 天津市(寧河区)(11月29日)

八十例目 江西省九江市(柴桑区)(11月30日)

八十一例目 陝西省西安市(鄠邑区)(12月3日) 

八十二例目 北京市通州区(12月3日) 

八十三例目 黒竜江省(イノシシ養殖場)(12月3日)
(12月3日の中共农业农村部副部长于康震氏の発表では、これまでの発生数豚79例、野生イノシシ2例、合計81例としているが、別の報道として、12月3日現在での中国当局の発表では、これまでに88例発症とあリ、12月3日時点では7例の食い違いがある。) 

八十四例目 四川省瀘州市(合江県)(12月5日)

八十五例目 陝西省西安市(長安区)(12月5日)

八十六例目 北京市順義区(12月5日)

八十七例目 山西省臨汾市(堯都区)(12月6日)

八十七例目 山西省臨汾市(堯都区)(12月6日)

八十八例目 陝西省楡林市(神木市)(12月9日)

八十九例目 貴州省貴陽市(白雲区)(12月9日)

九十例目 四川省巴中市(巴州区)(12月12日)

九十一例目 青海省西寧市(大通回族トゥ族自治県)(12月12日)

九十二例目 四川省綿陽市(塩亭県)(12月16日)

九十三例目 黒竜江省鶏西市(鶏冠区)(12月16日)

九十四例目 重慶市璧山区(12月18日)

九十五例目 広東省珠海市(香洲区)(12月19日)

九十六例目 福建省三明市(尤渓県)(12月20日)

九十七例目 貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州(竜里県)(12月21日)

である。

これまでの延べの殺処分(扑杀)頭数(头)は、OIE発表の数字では、9月28日の吉林省発生例までの累計で、96,057頭(うち、感染による死亡頭数1,087頭、殺処分数94,970頭)である。

明細は下記表の通り

出典「第22起非洲猪瘟:吉林省松原市长岭县发生一起非洲猪瘟疫情。据统计国内非洲猪瘟死亡和扑杀的生猪数量达9.6万头。

なお、この後、11月1日での中国国務院発表では、中国での8月1日以来のアフリカ豚コレラ発生に伴う豚の殺処分数のトータルは、47万頭と発表している。

さらに、中国農業農村部畜産局副局長 冯忠武氏が11月23日発表したところによると、中国のアフリカ豚コレラは、8月1日の遼寧省発生から11月22日までの間に、中国全土で20省47市で、豚については73例、イノシシについては1例発生。
殺処分された豚の頭数は60万頭にのぼっている。うち7省の24疫区が封鎖解解除としている。

また、12月3日現在の累計殺処分数は、63万一千頭と発表された。

殺処分補助金として、口蹄疫の場合(FMD手当)に順じ、アフリカ豚コレラについても、豚一頭につき800 元 (USD 117.50)の補助金があたえられる(9月13日からは、800元/頭から1200元/頭に上げる通知を発表)ので、患畜隠蔽のメリットはないと言われている。

この殺処分補助金は、豚のサイズにかかわらず一律なので、子豚にとっては、効率がいいが、処理にコストがかかる成豚にとっては効率がわるい。

また、瀋陽市では、補助金稼ぎの詐欺事件もあったと言われている。

参考

四起非洲猪瘟源头难索 扑杀成本高昂对行业冲击巨大

沈阳警方破获一起谎报“非洲猪瘟”骗补偿款案

 

 

 

一例目 遼寧省瀋陽市の例

感染豚を出した遼寧省瀋陽市瀋北新区の養豚農家では、7月5日に瀋陽市渾南区から45匹の豚を購入した、としている。

その渾南区の豚販売元である王さんは、3月24日に吉林市船营区から100匹購入し、そのうちの一部が4月になって発症し、一部は死んだという。

生き残った豚については、当局に報告せずに、同じ瀋陽市内の農場へ売却したという。

ちなみに、8月15日までに、遼寧省動物衛生当局は、遼寧省中の355 ,400頭の豚を検査し、うち、疑いのある検体10 791を取ったところ、瀋陽市からの全22検体がウイルス陽性であった。

参考

辽宁非洲猪瘟疫情防控:对8116头生猪扑杀和无害化处理

SPECIAL ANNOUNCEMENT: SECOND CASE OF ASF IN CHINA

AFRICAN SWINE FEVER-CHINA (03): DOMESTIC SWINE, CULL, ALERT

8月1日に感染豚を発見した遼寧省瀋陽市瀋北新区では、その後、2つの町の246,100の農場と63,861,600頭の豚について、スクリーニングを続けた結果、次の4農場で、感染豚を発見。いずれも8月29日までに全殺処分とした。
①财落街道
3養豚場431頭から39サンプル採取、うち6サンプルが陽性

②尹家街道
1農場140頭から14サンプル採取、うち1サンプルが陽性。

参考「OIEフォローアップレポート

 

二例目 河南省鄭州市の例

感染豚が発見されたのは、世界的企業である万洲国際有限公司(WHグループ)の子会社であり双匯集団系の鄭州双匯食品の食肉加工施設の屠殺場(郑州双汇屠宰场)であった。

この感染豚自体は、黒竜江省佳木斯市(チャムス市)湯原県鶴立郷の交易市場(黑龙江省佳木斯市汤原县鹤立镇交易市场)から260頭搬入された加工用豚であり、そのうちの30頭が死亡した。

どこでASFVに感染したのか?については、いまのところ謎のようである。

なお、この豚は、黒竜江省哈爾濱(ハルピン)市 通河县 清河林业局から来たものだという。

上記一例目と二例目とをあわせてみると、黒竜江省と吉林省と遼寧省とが感染ベルト地帯としてつながってしまうのだが、果たして真実はどうなのだろう?

なお、黒竜江省佳木斯市(チャムス市)から搬送された感染豚ということで、世界的企業である万洲国際有限公司(WHグループ)各社は、その後、操業を中止している。

 

三例目 江蘇省連雲港市の例

8月17日7時48分、连云港市海州区浦南镇の连云港连成牧业有限公司が当局に豚の異変を報告、
この会社は今年の4月に開設、4棟の豚舎からなる。
5月6日から8回に分けて豚を購入。
子豚はすべて泰安晟旺牧业有限公司から購入、
総頭数4,626頭。
発症は2号豚舎から始まった。
8月15日7時に3頭の異常発見、午後には死亡。
8月16日に8頭が急死、10頭が高熱。
8月17日に23頭が死亡、150頭が高熱。
8月18日に、54頭が死亡、465頭が新たに発症。
8月19日に、88頭が死亡、615頭が新たに発症。
参考「连云港市非洲猪瘟疫情防控最新进展公布:猪肉可以正常食用

 

四例目 浙江省温州市悦清市の例

8月17日、浙江省温州市乐清市淡溪镇の淡溪镇樟岙村经济合作畜牧养殖小区で、三軒の養豚農家でアフリカ豚コレラ発生。
430頭発症、340頭死亡。
原因は、自動車車両が感染媒体と推測。

浙江省の岳清市の農民の証言では、8月初めに地元の屠殺場が遼寧省から2頭の豚を受け取ったとの話もある。

五例目 安徽省蕪湖市の例

8月29日、安徽省がアフリカ豚コレラの実態調査中に、安徽省 蕪湖市 南陵の農場で、アフリカ豚コレラを発見、459頭中、185頭が発症、80頭が死亡していた。

六例目&七例目 安徽省宣城市宣州区の例

9月2日、安徽省宣城市宣州区で発生。
古泉镇農場には285頭の豚がいて40頭が死亡。
五星郷農場には、440頭の豚がいて94頭が死亡。

八例目 安徽省 宣城市 宣州区(金壩)の例

9月3日 安徽省 宣城市 宣州区 金壩 の養豚場で発生。
飼養頭数308頭
発症頭数152
死亡頭数83

六例目と七例目の位置関係は下記の通り

九例目 江蘇省無錫市宜興市の例

9月3日に、江蘇省無錫市宜興市で発生。
飼養頭数97頭
発症頭数12頭
死亡頭数9頭

 

十例目 黒龍江省佳木斯市(ジャムス市)の例

9月5日に、黒龍江省佳木斯市(ジャムス市)郊外長青郷の農家で。

飼養頭数87
発症頭数39
死亡頭数12

この發生元と、第二例目の河南省への感染豚搬送元だった湯原県鶴立郷との位置関係は下記地図のとおり。

黒竜江省での第二例と第九例と第十一例との関係位置図は下記の通り

十一例目 安徽省徐州市の例

9月6日、安徽省 滁州市 鳳陽県の農場で発生。
飼養頭数886頭
発症頭数62頭
死亡頭数22頭

 

十二例目 黒竜江省佳木斯市の例

9月6日 黒竜江省佳木斯市向阳区の農家で

飼養頭数203頭
発症頭数26頭
死亡頭数10頭

 

十三例目 安徽省蕪湖市南陵県の例 

9月6日、安徽省蕪湖市南陵県で

飼養頭数30頭
発症頭数13頭
死亡頭数4頭

十四例目 安徽省宣城市宣州区天湖街道の例

9月6日、安徽省宣城市宣州区天湖街道で

飼養頭数52頭
発症頭数15頭
死亡頭数15頭

 

十五例目 安徽省銅陵市義安区の例

9月10日、安徽省銅陵市義安区で発生。
飼養頭数219頭
発症豚頭63頭
死亡頭数23頭

この十四例目で、安徽省での発生例は通算七例となった。
地理的分布には、下記の通り。

十六例目 内モンゴル自治区シリンゴル盟アバグ旗(阿巴嘎旗)の例

9月12日 内モンゴル自治区シリンゴル盟アバグ旗 で発生
発症頭数16頭
死亡頭数16頭

十七例目 河南省新郷市の例

9月14日 河南省新郷市獲嘉県で発生
飼養頭数148頭
死亡頭数64頭

 

十八例目 内モンゴル自治区シリンゴル盟ショローン・フフ旗(正藍旗)の例

9月15日 内モンゴル自治区シリンゴル盟ショローン・フフ旗(正藍旗)で発生
飼育頭数頭159頭
感染頭数14頭
死亡頭数8頭

このシリンゴル盟では、9月12日にもアバグ旗(阿巴嘎旗)で、15例目が発生していた。

 

十九例目 吉林省公主岭市 南崴子镇の例

9月17日、吉林省公主岭市 南崴子镇で発生
飼養頭数484頭
発症頭数56頭
死亡頭数56頭

 

二十例目 内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗の例

9月20日、内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右翼中旗で発生
飼養頭数138頭
発症頭数23頭
死亡頭数22頭

 

二十一例目 内モンゴル自治区フフホト市の例

9月22日 内モンゴル自治区フフホト市の と畜場で、と畜される豚の検査中にアフリカ豚コレラ感染豚を発見。
この と畜場には388頭の豚がいて、4頭が発症、2頭が死亡。

なお、このフフホト市の と畜場で感染豚が発見された背景に、公設獣医師が、8000元(13万円)の闇報酬を得て、地域内での輸送が可能となる検疫証明書(B)を偽造し、これを元にして、9月20日午後に、遼寧省鉄嶺市昌図県から、96頭の豚生体を、内モンゴル 通遼市 ナイマン旗の奈曼旗金泉養豚場へ送り、それを直接、と畜場に送り込んだと、報道されている。

参考「内蒙四人因猪瘟疫情被拘:兽医收钱开检疫证明致辽宁病猪流入

この20例目で、内モンゴル自治区では、合計4地区でアフリカ豚コレラが発生したわけだが、これまで発生した地区の地図上の位置関係は下記のとおりである。

二十二例目 吉林省松原市長嶺県の例

9月28日、 吉林省松原市長嶺県の農場で
飼養頭数44頭
発症頭数8頭
死亡頭数3頭
吉林省では、18例目の公主岭市 南崴子镇の発生に続き二例目

 

二十三例目&二十四例目 遼寧省営口市大石橋市と老辺区の例

9月28日、遼寧省営口市大石橋市と老辺区の3つの镇4つの村で、五戸の農家から発生。
飼養頭数378頭、死亡頭数102頭。

 

二十五例目&二十六例目&二十七例目&二十八例目  遼寧省営口市大石橋市と老辺区の例

10月7日発生、

9月28日に次ぐ再発、

発生は遼寧省営口市の広範囲に及ぶ。

二十五例目
大石桥市高坎镇
革家村

二十六例目
大石桥市旗口镇
宿东村、新兴村、王围村

二十七例目
老边区边城镇
北于杨村,

二十八例目
老边区南镇
新立村

総飼養頭数3358頭,
総発症数334頭,

総死亡頭数93頭

二十九例目 遼寧省鞍山市台安県の例

10月8日、遼寧省 鞍山市 台安郡の農家から発生。
飼養頭460頭、
発症頭数160頭、
死亡頭数160頭

 

三十例目 遼寧省大連市普蘭店区の例

10月11日、遼寧省大連市普蘭店区の一農場に発生
飼養頭数1353頭
発症頭数20頭
死亡頭数11頭

三十一例目 遼寧省鞍山市台安県の例

10月12日に遼寧省鞍山市台安県新台鎮の農家から発生

飼養頭数120頭、

発症頭数88頭、

死亡頭数72頭。

 

三十二例目    天津市蓟州区の例

10月12日、天津市蓟州区侯家营镇の農家に発生。

飼養頭数639頭

発症頭数292頭

死亡頭数189頭

これでこれまでの発症省市に新たに天津市が加わり、感染省市は8省1直辖市に拡大したことになる。

三十三例目 遼寧省鞍山市台安県(桑林镇)の例

10月14日、遼寧省鞍山市台安県桑林镇の農家で発生。
飼養頭数 180頭
発症頭数 14頭
死亡頭数 14頭
なお、鞍山市台安郡としては、10月8日と12日に続く三回目の発生。

三十四例 遼寧省锦州市北镇市の例

10月14日發生

飼養頭数19,938頭
発症頭数221頭,
死亡頭数221頭

中国の北京大北农科技集团股份有限公司(略称 大北农)は、火曜日、傘下の北镇大北农农牧食品公司(略称 北镇大北农)でアフリカ豚コレラが発生したと発表。 人口密集区にあり感染の疑いはあるが原因は調査中。 同社持株会社に同様な会社が山东省福建省にあるが異変はない。

 

三十五例 遼寧省盘锦市大洼区王家街道曙光村の例

10月14日發生

飼養頭数1571頭,
発症頭数109頭,
死亡頭数109頭

 

三十六例 遼寧省盘锦市大洼区王家街道王家村の例

10月14日發生

飼養頭数270頭,
発症頭数129頭,
死亡頭数129頭。

 

三十七例 遼寧省铁岭市(开原市)の例

10月15日、铁岭市开原市庆云堡镇
飼養6640頭,発症50頭,死亡14頭

 

三十八例 遼寧省盘锦市(大洼区)の例

10月15日、盘锦市大洼区清水镇
飼養4323頭,発症1030頭,死亡1030頭

 

三十九例 遼寧省盘锦市(大洼区)の例

10月15日、盘锦市大洼区王家街道
飼養3223頭,発症31頭,死亡20頭。

 

四十例 遼寧省盘锦市(大洼区)の例

10月16日、遼寧省盘锦市大洼区西安镇。

飼養頭数161頭、発症頭数43頭,死亡頭数43頭、

 

四十一例  山西省大同市(左云县)の例

10月17日 山西省大同市左云县で発生。
飼養頭数15頭
発症頭数7頭
死亡頭数4頭

山西省としては初の感染。

四十二例  雲南省昭通市(鎮雄県牛场镇)の例

10月21日、雲南省昭通市鎮雄県牛场镇で発生。

飼養頭数804頭、
発症頭数298頭、
死亡頭数298頭,

四十三例 雲南省昭通市(鎮雄県母享镇)の例

10月21日、雲南省昭通市鎮雄県母享镇で発生。

飼養頭数353頭,
発症頭数247頭,
死亡頭数247頭,

四十四例 浙江省台州市(三門県)の例

10月21日、浙江省台州市三門県で発生 。

飼養頭数2280頭

発症頭数56頭

四十五例 湖南省益陽市の例

10月22日、湖南省益陽市桃江縣
飼養頭数546頭
発症頭数44頭
死亡頭数17頭

四十六例 湖南省常德市の例

10月22日、湖南省常德市桃源縣
飼養頭数268頭
発症頭数

四十七例 貴州省畢節市(赫章県)の例

10月25日、貴州省畢節市赫章県
飼養頭数10頭
発症頭数8頭
死亡頭数8頭

四十八例から五十例 貴州省畢節市(七星関区)の例

10月26日 貴州省畢節市七星関区。同じ地区で三例発生。
飼養頭数49頭
発症頭数25頭
死亡頭数25頭

五十一例 湖南省常徳市(桃源県)の例

10月28日、湖南省常徳市桃源県
飼養頭数7,684頭
発症頭数106頭
死亡頭数99頭

五十二例 山西省太原市(陽曲県)の例
10月30日 山西省太原市陽曲県 で発生。
飼養頭数210頭,
発症頭数75頭,
死亡頭数47頭

五十三例 湖南省懐化市(沅陵県)の例
10月30日、湖南省懐化市沅陵県で発生。
飼養頭数144頭
発症頭数25頭,
死亡頭数22頭

五十四例 雲南省普洱市(思茅区)の例
10月30日 雲南省普洱市思茅区で発生。
飼養頭数36頭,
発症頭数5頭,

五十五例 山西省太原市陽曲県(西凌井乡)の例

11月3日、山西省太原市陽曲県西凌井乡
飼養頭数47頭
発症頭数25頭
死亡頭数7頭死亡頭数1頭

五十六例 重慶市豊都県(興義鎮)の例
11月4日 重慶市豊都県興義鎮
飼養頭数309頭
発症頭数3頭
死亡頭数3頭

五十七例 湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州(保靖県)の例

11月5日 湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州保靖県
飼養頭数119頭
発症頭数11頭
死亡頭数4頭

五十八例 湖北省羅田県の例

11月7日 湖北省羅田県
飼養頭数821頭
発症頭数 22頭
死亡頭数 4頭

五十九例 湖南省婁底市(漣源市)の例

11月8日 湖南省婁底市漣源市
飼養頭数 9頭
発症頭数 4頭
死亡頭数 1頭

六十例 江西省上饒市万年県の例

11月8日 江西省上饒市万年県
飼養頭数 154頭
発症頭数 49頭
死亡頭数 49頭

六十一例 吉林省延辺朝鮮族自治州竜井市(城廂区)の例

11月8日 吉林省延辺朝鮮族自治州竜井市城廂区
飼養頭数 930頭
発症頭数 144頭
死亡頭数 144頭

六十二例 福建省莆田市(城廂区)の例

11月8日 福建省莆田市城廂区
飼養頭数 4521頭
発症頭数 85頭
死亡頭数 85頭

 

六十三例目 安徽省池州市(青陽県)の例

11月9日 安徽省池州市青陽県
飼養頭数8,339頭
発症頭数96頭
死亡頭数47頭

六十四例目 湖北省黄岡市(武穴市)の例

11月12日 湖北省黄岡市武穴市の2つの隣接地区で発生。

飼養頭数147頭

発症頭数7頭

死亡頭数6頭

六十五例目 湖北省黄岡市(キ水県)の例

11月15日、湖北省黄岡市キ水県

飼養頭数636頭
発症頭数24頭
死亡頭数13頭

六十六例目 四川省宜賓市(高県)の例

11月15日 四川省宜賓市高県
飼養頭数40頭
発症頭数16頭
死亡頭数10頭

六十七例目 吉林省白山市(渾江区)の例

11月16日 吉林省白山市渾江区で野生イノシシ一頭がアフリカ豚コレラで死亡が発見。

六十八例目 雲南省昭通市(威信県)の例

11月16日 雲南省昭通市威信県
飼養頭数1頭
発症頭数1頭
死亡頭数1頭

六十九例目 江西省上饒市(ハ陽県)の例

11月17日 江西省上饒市ハ陽県
飼養頭数150
発症頭数10
死亡頭数10

七十例目 雲南省昆明市(呈貢区)の例

11月17日 雲南省昆明市(呈貢区のと畜場
預かり頭数348

七十一例目 四川省成都市(新津県)の例

11月17日 四川省成都市新津県
飼養110頭
発症27頭
死亡13頭

七十二例目 上海市金山区の例

11月17日 上海市金山区
飼養頭数314頭
発症頭数50頭
死亡頭数11頭

七十三例目 黒竜江省ハルビン市(道外区)の例

11月19日 黒竜江省ハルビン市道外区の2つの農家
飼養頭数900頭
発症頭数269頭
死亡頭数269頭

ハルビン市発生は今回が初めてだが、二例目河南省鄭州市発生時感染豚は黒竜江省佳木斯市交易市場から来、更にその豚はハルピン市通河县から来た。

七十四例目 湖南省懐化市(鶴城区)の例

11月19日 湖南省懐化市鶴城区
飼養頭数73頭、
発症頭数61頭、
死亡頭数55頭。
 
七十五例目 北京市 房山区(青龍湖鎮)の例

11月23日 北京市 房山区青龍湖鎮
飼養頭数1325
死亡頭数49

七十六例目 北京市 房山区(琉璃河鎮)の例

11月23日 北京市 房山区琉璃河鎮
飼養頭数429
死亡頭数37

七十七例目 内モンゴル自治区包頭市(ホンドロン区)(11月23日)の例

11月23日 内モンゴル自治区包頭市ホンドロン区
飼養頭数88頭
発症頭数69頭
死亡頭数53頭

七十八例目 湖北省黄石市(陽新県)の例

11月25日 湖北省黄石市陽新県
飼養頭数63
発症頭数9
死亡頭数5

七十九例目 天津市(寧河区)の例

11月29日 天津市寧河区
飼養頭数361頭
死亡頭数67頭

八十例目 江西省九江市(柴桑区)の例

11月30日 江西省九江市柴桑区
飼養頭数159頭
発症頭数16頭
死亡頭数4頭

八十一例目 陝西省西安市(鄠邑区) の例

12月3日 陝西省西安市鄠邑区
飼養頭数245頭
発症頭数205頭
死亡頭数79頭
  
八十二例目 北京市通州区の例
 
12月3日 北京市通州区
飼養頭数9835頭
発症頭数85頭
死亡頭数17頭

八十三例目 黒竜江省イノシシ養殖場の例 
 
12月3日 黒竜江省のイノシシ養殖場
飼養イノシシ頭数375頭
死亡頭数77頭

八十四例目 四川省瀘州市(合江県)の例

12月5日 四川省瀘州市合江県
飼養頭数165頭
発症頭数68頭
死亡頭数68頭

八十五例目 陝西省西安市長安区の例

12月5日 陝西省西安市長安区
飼養頭数245頭
発症頭数85頭
死亡頭数64頭

八十六例目 北京市順義区の例

12月5日 北京市順義区
飼養頭数2461頭

発症頭数53頭
死亡頭数26頭

八十七例 山西省臨汾市(堯都区)の例

12月6日 山西省臨汾市堯都区
飼養頭数91頭
発症頭数45頭
死亡頭数35頭

八十八例 陝西省楡林市(神木市)の例

12月9日 陝西省楡林市神木市
飼養頭数33頭
発症頭数19頭
死亡頭数19頭

八十九例 貴州省貴陽市(白雲区)の例

12月9日 貴州省貴陽市白雲区
飼養頭数26頭
発症頭数5頭
死亡頭数5頭

九十例目 四川省巴中市(巴州区)の例

12月12日 四川省巴中市巴州区
飼養頭数117
発症頭数51
死亡頭数19

九十一例目 青海省西寧市(大通回族トゥ族自治県)の例

12月12日 青海省西寧市大通回族トゥ族自治県
飼養頭数69
発症頭数14
死亡頭数14

九十二例目 四川省綿陽市(塩亭県)の例

12月16日 四川省綿陽市塩亭県
飼養頭数210頭
発症頭数35頭
死亡頭数26頭

九十三例目 黒竜江省鶏西市(鶏冠区)の例

12月16日 黒竜江省鶏西市鶏冠区

飼養頭数84頭
発症頭数24頭
死亡頭数24頭

九十四例目 重慶市(璧山区)の例

12月18日 重慶市璧山区
飼養頭数23頭
発症頭数8頭
死亡頭数3頭

九十五例目 広東省珠海市(香洲区)の例

12月19日 広東省珠海市香洲区のと畜場で。

飼養頭数1598頭
発症頭数11頭
死亡頭数11頭
これらの豚は広東省 仏山市 順徳区 均安鎮の胡德志養豚場から送られてきた豚で、この豚には、禁止されている泔水(レストランなどの残飯)が使用されていたため、この養豚場の豚342頭も殺処分された。

九十六例目 福建省三明市(尤渓県)の例

12月20日 福建省三明市尤渓県
飼養頭数11,950頭
発症頭数27頭
死亡頭数27頭

九十六例目 貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州(竜里県)の例

12月21日 貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州竜里県
飼養頭数156頭
発症頭数42頭
死亡頭数42頭

これで、12月21日までに、発生省市別数は
遼寧省18.安徽省9.湖南省7.貴州省6.雲南省5.内モンゴル自治区5.黒竜江省5.四川省5.吉林省4.湖北省4.山西省4.北京市4.陝西省3.江西省3.河南省2.江蘇省2.浙江省2.天津市2.重慶市2.福建省2.青海省1.上海市1.広東省1.

合計19省4市97例(内イノシシ感染2例)になった。

現在の中国の省市別感染地図は、下記のとおりである。

すでに、北京・上海は感染地域となり、台湾も、その玄関口の福建省がついに感染地域と化している。

 

なお、一番数の多い遼寧省の地区別内訳は下記のとおり。
营口市6(9/28.9/28.10/7.10/7.10/7.10/7).鞍山市3(10/8.10/12.10/14).大连市1(10/11).锦州市1(10/14).盘锦市5(10/14.10/14.10/15.10/15.10/16).铁岭市1(10/15)沈阳市1(8/01)
遼寧省合計18

 

なお、8月31日に、中国当局の今後の防御方針を含めた通知「国务院办公厅关于做好非洲猪瘟等动物疫病防控工作的通知」(“Notice on the Prevention and Control of Animal Diseases in African Swine Flies”)」が発令された。

このなかには、「ASF発症を見た省での豚の生体取引市場を閉鎖する」との方針も含まれている。

更に、9月12日、中国当局は、これまでアフリカ豚コレラが発生した省に隣接する省市区においては、豚の省市区間の輸送を禁止し、隣接省市区のすべての豚の生体取引市場を一時的に閉鎖することを決定。
対象となる省市区は、上海、山東、河北、山西、陝西、湖北、江西、福建、内蒙古、吉林、の10省市区となる。

参考「农业农村部:非洲猪瘟疫情相邻省份暂停生猪跨省调运

 

 

参考「月初爆發 殺2.5萬隻無助阻止疫情 內地12省市列高危 非洲豬瘟恐傳粵

 

中国のASFV感染原因はロシアからの輸入肉からか?

 

ECTADの獣医Wantanee Kalpravidh氏は、これらの感染原因を輸入肉にもとめる見解を出している。

これが、どこからの肉を指しているのか? Kalpravidh氏は明確にはしていないが、言外にロシアからの肉輸入を指していることは明らかであろう。

その一因として、米中との貿易戦争の激化による中国の豚肉輸入事情の変化をあげる向きもある。

中国は4月2日に25%の追加関税を課したため、アメリカの米産豚肉の中国/香港への輸出が減少。

USMEFによると、5月時点で、米産豚肉の中国/香港への輸出は31%減の3万4千191㌧。輸出額も25%減の7千987万2千㌦となった。

このことと、今回の中国でのASF発生との関係について、中国・台湾のメディアは次のように伝えている。

参考

中國轉購俄羅斯豬肉 疑為非洲豬瘟源頭」「非洲猪瘟蔓延 抵制美国转买俄猪肉惹祸?」「抗衡美国转购俄国猪肉 疑非洲猪瘟散播源头

「米中間の貿易戦争の激化によって、米国からの輸入豚肉は高額になり、輸入量はほとんどゼロになり、それにかわって輸入されたのがロシアからの豚肉だった。今年4月時点で、キロ6元から10元の米国産高級豚肉は、輸入ストップとなり、その代わりにロシアからの豚肉がキロ12元で入ってきた」とメディアは言う。

8月初旬で、そのロシアからの豚肉輸入量は24万トンから30万トンに及んでいると言う。

ちなみに、昨年のロシアからの豚肉輸入量は17万トンに過ぎなかった。

なお、ロシアのクラスノヤルスク地方から中国 黒竜江省への豚肉製品の輸出がされていた、という報道もある。

これに対して、ロシア側は、9月11日、ロシア連邦農業省 連邦動物植物検疫監督局(Rosselkhoznadzor)の見解として、中国のアフリカ豚コレラのウイルスは、おそらくEUから中国に輸出の豚肉関連食品に混ざり侵入した、との推測を調査結果を引用しつつ示した。
また、もう一つの可能性として南コーカサスの野生イノシシによる侵入も考えられうるが、そのシナリオの可能性は低いとした。

そして、ロシアでは、ベラルーシから輸入される豚肉製品にその懸念があるとして、ベラルーシからのそれら豚肉製品の輸入の中止をすることもありうる とした。

参考「Russia says ASF might have come to China from the EU

これらについての真偽は別として、米中貿易戦争の余波が、一人当たり豚肉の世界最大の消費国である、今回の中国でのアフリカ豚コレラ問題にまで尾を引いていることは事実だろう。

11月20日、ベラルーシ、グロドノ州で製造されたソーセージ・腸詰めから、アフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスのDNAが検出された。
製品は17カ国に輸出されているという。
かねてから、ベラルーシは豚肉加工製品の輸出に積極的で、日本に対しても、10月 協力覚書を締結、
Miratorg-Zapad LLCおよびRatimir LLCの二社が日本に向けての加熱処理肉輸出の認可をとった。
日本の他、アラブ首長国連邦、韓国、中国、ブラジル、カナダ、アメリカ、イラクへの輸出を計画していた。

なお、中国でのアフリカ豚コレラの感染拡大原因として、「泔水喂猪」を上げる向きがあるようだ。

「泔水喂猪」とは、レストランの残飯 残滓 残水を、レストランから直接養豚農家に毎日届け、それを加熱処理することなく、豚に与える違法な養豚法のことである。

参考

“泔水喂猪”不只是监管的命题

中华人民共和国畜牧法」(第43条 家畜及び家禽の飼育について、以下の行為は認められない。
(2)高温で処理されていないレストラン及び食堂からの「泔水」(食堂の残飯・残滓、流し水)を、家畜に餌として与えること。)

 

「泔水喂猪」=「泔水」(食堂の残飯・残滓、流し水)+「喂」(を飼料にして育てられた)+「猪」(豚)の意味である。

中国で、この「泔水喂猪」が多い省が、アフリカ豚コレラを多く発症させているのかもしれない。

ちなみに、第一例目 遼寧省瀋陽市での発生養豚農家は、「泔水喂猪」の飼育方法であったとされている。

9月13日、中国政府当局は次の通達を出した。

①豚血液使用飼料生産停止

②通達以前生産豚血液由来飼料はサンプル提出、陰性は販売継続。

③農家は豚血液由来飼料使用停止。メーカー製品テスト陰性は使用可。

④ASF発生地域は「泔水」(食堂の残飯残滓)使用禁止、隣接地域は高温処理なし「泔水」使用禁止

参考「中华人民共和国农业农村部公告 第64号

なお、上記「豚血液由来飼料」としては、例えば、下記「抗病猪饲料」のようなものがある。

 

遼寧省ASFウイルス遺伝子配列はロシアのイルクーツク・ウイルスと相同性一致

 

一方、遼寧省でのASFウイルスの遺伝子解析が進み、ロシアのウイルスとの相同性が指摘されている。

一例目遼寧省ウイルスの遺伝子解析の結果、アフリカ豚コレラ遺伝子ASFV-SY18は、ジョージア(Georgia 2007/1), ロシアのクラスノダール(Krasnodar 2012), ロシアのイルクーツク(Irkutsk 2017), エストニア(Estonia 2014)と一致しているという。

参考

Molecular Characterization of African Swine Fever Virus, China, 2018

AFRICAN SWINE FEVER – ASIA (02): CHINA (LIAONING) GENOTYPING, EPIDEMIOLOGY

2018年中国首例非洲猪瘟疫情

中国のアフリカ豚コレラウイルスの遺伝子 塩基配列についての公式報道は、8月22日の「科技日報」での発表しかない。

以下

「另据《科技日报》报道,中国农业科学院哈尔滨兽医研究所猪传染病研究室主任兼猪烈性病创新团队首席科学家仇华吉介绍,基因测序结果显示,引起中国本次非洲猪瘟疫情的毒株为基因Ⅱ型,部分基因序列与格鲁吉亚2007株和俄罗斯伊尔库茨克2017株的相应序列完全一致。」

なお、一例目以外のウイルスの遺伝子配列については、これまで公開がない。

第一例目の遺伝子系統樹は下記の通り。

 

 

 

気になるのは?

気になる点がいくつかある。

①これまでの中国での発生場所が、いずれも、中国の東部であり、しかも、次第に南下しているということ。

②中国の第二例での感染場所がまだわからないが、もし、黒竜江省佳木斯市(チャムス市)の交易市場とすると、ロシアとの国境地帯である、ということ。

ちなみに、このサイト「非洲猪瘟疫情升温 病毒来源真相为何」によると、「2018年4月22日から24日にかけて、FAOの4人からなる調査団が黒竜江省黒河市に行き、ASFの調査をした」とある。(当時の現地の報道は「联合国粮农组织调研组到黑河市调研非洲猪瘟防控情况」)

ちなみにFAOは、今年3月にレポート「African Swine Fever Threatens People’s Republic of China–A rapid risk assessment of ASF introduction」を発行し、黒竜江省が中国で最もASFの発生しやすい場所として、警告を発していた。

参考-動画「非洲猪瘟来自俄罗斯FOA3月就警告

③ロシアの7月の第一例と中国の第二例には、いずれも、大手の食肉一貫加工場関連施設でのアフリカ豚コレラ菌の発見、という共通点があること。

 

アフリカ豚コレラ・ウイルスの特性は?

では改めて、ここで、アフリカ豚コレラ・ウイルスの特性を見てみよう。
第一に強調すべきは、アフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)は、これまで、ごく普通に蔓延し淘汰されてきた古典的豚コレラ・ウイルス(CSFV)とは全く異なるウイルスである、ということである。

①古典的豚コレラ・ウイルス(CSFV)=一本鎖プラスRNAウイルス。フラビウイルス科

②アフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)=二本鎖DNAウイルス。アスファウイルス科

 

第二に、アフリカ豚コレラ・ウイルスは、淘汰しにくい特異な特性を持っているということである。

主なアフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)の特徴は、次のとおりである。

①生存期間が長い。
室温では18ヶ月も生き延びる。

②寒さに強く、暑さに弱い。
冷凍状態でも生き残る。
逆に温度が上昇すると生存期間は短縮。

③広いレンジでのPHレベルで生息可能。
PHが4から13まで生息可能。

④発症までの潜伏期間
諸説があるが、個別要因によつて幅がある。
アルメニアの野生イノシシの感染実験では、潜伏期間3日から4日。ウイルス排出期間2日から6日。
という一応の目安は確認されている。

参考「Dynamics of African swine fever virus shedding and excretion in domestic pigs infected by intramuscular inoculation and contact transmission

以下の図は、。ウイルス感染から発症・死亡までの流れである。

A. 潜伏期間(incubation period) =
通常は感染から 3〜14日の範囲
急性症例では3〜4日

B. 他への感染能力獲得期間(latent period)=
通常は感染から3-6日の範囲

C. 臨床症状( clinical sign )=
潜伏期間経過後

なお、これらの数字は、症例によってまちまちであるが、一応の目安を一覧表にしたものが下記にある。

 

⑤感染豚は7日から9日または10日内に死ぬ。

性別、年齢関係なし。

ただし、アフリカ中南部には野生のイボイノシシやダ ニが ASFVに不顕性感染し存在している場合もあるようだ。

⑥人には感染しない

通説的には、そうだが、しかし、一部には下記のように異論はある。

参考「「Although ASFV is not known to infect humans even where the virus is
endemic, identification of ASFV-like sequences in serum from multiple human
patients suggests human infection may occur. 」

Discovery of novel ASFV-like sequences in human serum

 

⑦感染豚の症状
熱、下痢、食欲不振、呼吸不全、鼻血、皮膚出血など

⑧感染豚の死体の状態
リンパ節の腫れ出血、脾臓拡大、内臓や皮膚出血あり。肺や呼吸器系に泡。
これらの症状がない場合は、ASFではないと見てよい。

⑨ASFVの感染経路

四つの感染経路があるとされている。
A.森林サイクル-森林に住むイノシシの数の増減による-イノシシ媒体

B.豚ダニ・サイクル-豚のダニの増減による-豚ダニ(ヒメダニ属)媒体

C.国内サイクル-国内飼養豚の数の増減による-感染豚媒体

D.その他-間接的感染ルート-人間や交通機関がウイルス移転。飼料食物残滓豚加工食品由来感染

 

直接的には、豚同士の体液や血のふれあいにより拡大することが多い。

感染豚の体液、血液、糞尿などにふくまれるウイルスの数では、鼻水や直腸流体には少ない。故に、血液感染の可能性が最も多い。

間接的には、豚由来の食物や汚染施設経由。海外旅行者の持ち帰り残滓の豚への飼料のコンタミネーション。

冷凍肉などへのウイルスの残留期間については下記表をご参照

 

 

空気感染については諸説ある。

Quantification of airborne African swine fever virus after experimental infection.」によると
アフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)が空気中にエアゾール化した時
「大気中のASFVの半減期をPCR分析した結果では平均19分」
との記述があり「ASFV感染豚が大気中にウイルスを排出する可能性はある」と示唆する研究もある。

その他、留意すべき感染経路として

イノシシの精液由来感染・人工授精由来感染、

豚やイノシシの母子感染の可能性。

感染豚の糞便の乾燥粉末化による空気感染

の可能性もある。

⑩感染豚発見時の処理

感染集団全部の殺処分。
立入禁止地域の設置とモニタリングエリアの設定。
これら地域内での野生イノシシ、野生豚の感染監視や捕獲後検査。
感染野生猪発見の場合は地区内豚移動禁止
疑わしい患畜発見の場合は、養豚家やハンターは血液サンプルを所定機関に送る。

⑪アフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)に対するワクチン

現在時点では、世界中どこにも無い。
したがって、対策は衛生的手段と個体数調節・殺処分しか、手段がない。
現在、世界中に不在のアフリカ豚コレラ・ワクチンの開発は、いろいろ、試行錯誤がされている。
一つが「プライム-ブースト異種ワクチン接種法」(heterologous prime-boost vaccination strategies)というもの。

参考「Blueprint and Roadmap (BRMP) on the possible development of an African Swine Fever (ASF) vaccine

異なる二種類の組換えウイルスを免疫誘導と免疫増強の二段階で接種し目的抗原への免疫応答のみ増強するもの。

以上が、アフリカ豚コレラ・ウイルスの特性であるが、この特性故に、淘汰しにくい面が憂慮される。

 

⑫現在、中国当局が、国内への持ち込み・国外への持ち出しについて、制限監視をしている豚肉製品

A.腌渍火腿(漬けハム)


B.肉干(乾燥肉)


C.肉松(フロス)


D.火腿(ハム)

E.臘肉(ベーコン)


F.臘腸(ソーセージ)

G.米腸(スンデ)

H.饺子(餃子)

I.香腸(ソーセージ)

J.生絞肉(生ひき肉)

K.紅腸

等の猪肉制品(豚肉製品)

⑬肉製品におけるアフリカ豚コレラの生存率(日数)

冻肉 1000日  (冷凍肉)
风干的去骨肉 300日 (空気乾燥ボンレス肉)
风干的肉丸子 300日  (空気乾燥ミートボール)
冷藏去骨肉 110日 (冷蔵ボンレス肉)
冷藏肉丸子 110日  (冷蔵ミートボール)
盐腌制的去骨肉 182日  (塩漬けボンレス肉)
盐腌制的肉丸子 182日  (塩漬けミートボール)
去骨肉 105 日(ボンレス肉)
肉丸子 105日 (ミートボール)
熏制的去骨肉 30日 (燻製ボンレス肉)
肉馅 105日 (ひき肉)
做熟的去骨肉 0日 (調理済みボンレス肉)
做熟的肉丸子 0日 (調理済みミートボール)
肉罐头 0日 (缶詰肉)

 

出典:FAO、中国 – タイ証券研究所

参考「非洲猪瘟防控

 

憂慮されること

憂慮される点としては、以下の点が挙げられる。

①野生イノシシによる感染拡大が懸念される。

ロシアなどでは、野生のイノシシがアフリカ豚コレラ・ウイルスを媒介しているということである。
中国での第二例の感染源が、もし、発見場所の双匯集団系の鄭州双匯食品の食肉加工施設でなく、それ以前の搬入元の黒竜江省佳木斯市(チャムス市)湯原県鶴立村の交易市場であるとしたら、ロシア国境地帯での野生イノシシを介した感染豚の国境地帯での密売による感染拡大、というシナリオも十分考えられる。

また、完全に殺処分されるべき感染豚の掘り起こしなどのニュースもあり、中国の現地での動向には、注視していく必要がありそうだ。

 

②豚加工食品を通じての中国外への感染拡大が懸念される。

アフリカ豚コレラ・ウイルス(ASFV)の「熱に弱く、寒さに強い」という特性が、豚肉加工肉やその残滓を介しての感染拡大につながりうる可能性を秘めている、ということである。

特に、今回感染豚が発見されたロシアのRusagro(ルサグロ社)はロシア第三の大手食肉加工企業であり、中国の双匯集団系の鄭州双匯食品も、米国の食肉大手スミスフィールド・フーズを買収するほどの世界的大手食品加工企業であり、日本の日本ハム・グループとは、肉鶏に関する合弁会社「双匯万中禽業」を設立している。
これらの一貫生産加工食品ルートによる感染拡大も、視野に入れる必要がありそうだ。

また、台湾では、台北の南門市場に、中国製の金華火腿(ハムの一種)↓が売られているのを、警戒する向きもある。

台湾では、10月31日行政院(内閣)農業委員会発表によると、10月25日に金門島の水頭埠頭にある入境前の旅客用の農産物廃棄箱に捨てられていた中国産ソーセージからアフリカ豚コレラが検出されたとのことである。
このソーセージは「雙匯香脆腸」というもので、メーカーは8月16日二例目の河南省鄭州市の鄭州双匯食品と同じ双匯食品系列のものである。

しかし、双匯食品では、このソーセージは偽物であると、反論している。

さらに、11月13日には、台中空港で、10月25日の金門島水頭埠頭の例と同じく、検疫前の農産物廃棄箱に捨てられていた自家製ソーセージにアフリカ豚コレラが発見された。

11月30日に、台湾の高雄国際空港の税関の放棄箱に捨てられていた紅腸(中国東北部のロシア風ソーセージ)からアフリカ豚コレラウイルスが検出された。
この製品は、「秋林 里道斯哈爾賓紅腸」という名のもので、「哈爾浜秋林里道斯食品有限責任公司」の製品のようである。

12月12日、台湾の桃園国際空港で、台湾国籍の旅行者が重慶から持ち帰った手荷物の臘腸(豚肉ソーセージ)と、別便の中国人旅行者の手荷物の紅腸から、アフリカ豚コレラ(ASF)のウィリスを検出された。
今回は4-5例目で、これまでに、10月31日、11月13日、11月30日の三例があつた。

感染の恐れは、タイにまで及びつつある。

11月26日、タイ北部のチェンライの空港で、中国の四川省成都市からのフライトで入境した中国人旅行者が持っていたソーセージから、アフリカ豚コレラのウイルスが検出された。

ヴェトナムも、警戒を強めている。

③北朝鮮での感染拡大が、大きな懸念材料としてある。
中国第一例目は北朝鮮と国境を接しているし、第三例目の搬入元も、北朝鮮に近い。
口蹄疫の場合も、鳥インフルエンザの場合も、北朝鮮での感染実態については、何も知らされていない。
これが韓国に飛び火し、ついで、日本へ飛び火してくる可能性も否定はできない。

④韓国への感染拡大への懸念がある。

韓国では、既に下記のケースがある。

A. 8月3日に、中国の瀋陽市から仁川国際空港に帰国の二人の韓国旅行客が持ち帰ったスンデ(豚の血のソーセージ)と餃子の中からアフリカ豚コレラ(프리카돼지열병)・ウイルスがPCR検査で検出されたと、8月24日に発表があった。

旅行客が当局へ自己申告したもの。

B. 8月20日に、仁川国際空港に到着した中国人旅行客が、韓国内に持ち込んだスンデ(自家製のもの)から、アフリカ豚コレラウイルスが検出

C. 8月26日に、瀋陽から済州空港に到着した中国国籍旅行者が、韓国内に持ち込んだと香腸(ソーセージ)から、アフリカ豚コレラウイルスが検出。

参考「AFRICAN SWINE FEVER – ASIA (09): SOUTH KOREA ex CHINA, CONTAMINATED FLIGHT FOOD

제주서도 아프리카돼지열병 바이러스 확인

韩国现第二例非洲猪瘟 来自中国游客的香肠

⑤中国から日本への感染の懸念がある。

口蹄疫の日本への感染拡大の一要因として、大連の中国産の稲わらにあったかもしれない、ということは記憶に新しい。
一応の熱処理は義務づけられてはいるものの、この中国からの稲わら輸入が日本での初感染へのトリガーとならないことを祈りたい。

農林水産省は10月22日、中国の北京から新千歳空港に入った乗客が持ち込もうとした豚肉ソーセージ(香腸)(10数本のソーセージを真空パックにしたもの、計約1.5キロ分)から、日本では感染が確認されていないアフリカ豚コレラの陽性反応が出たと発表した。

さらに、11月9日、農林水産省は中国・上海から羽田空港に持ち込まれたギョーザから、アフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が確認されたと発表。
10月14日に到着した客が持っていた非加熱の手作りギョーザを遺伝子検査したところ陽性反応が出た。

11月9日に中国(大連)から成田空港に到着した旅客が任意放棄した携行品の豚肉製品(ソーセージ2.5kg)から、アフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が11月22日に検出した。

日本でアフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が見つかったのはこれで3例目となった。

⑥日本の過疎地に急速に増えつつある野生イノシシが感染媒体になるのではないか?との懸念がある。

日本における野生イノシシ対策は、即アフリカ豚コレラ対策ともなり得る。

豚コレラの感染経路で有力なのは、野生イノシシであり、イラン 、リトアニア 、ポーランドでも、いずれも、イノシシによる拡大であった。
ロシアも、イノシシ由来での感染拡大を阻止できていないと言われている。

日本においては、過疎地を中心に、野生イノシシの増殖増加問題が騒がれているが、ジャーナリズムの取材スタンスは、単に近隣の農作物の被害問題ばかり取り上げているだけにもみえる。

しかし、もし、日本においても、この増殖している野生イノシシが、アフリカ豚コレラ・ウイルスを媒介する事態になったら、現在の対策ではまっく役立たないだろう。

これら野生イノシシの疫病媒介動物としての対処と本格的なコントロール(アメリカ並の、不妊ワクチン「Gonacon」の「darting syringe gun」による投与など)が必要となるのではなかろうか?

なお、野生イノシシにまで感染が及んだ場合、次のような対応を求める意見もある。

豚コレラ感染の野生イノシシのコントロールについて

「感染野生生物の防除

もし、豚コレラウイルスに感染した野生のイノシシの個体数が定着した場合、更に撲滅は困難となる。
したがって戦略は野生のイノシシと飼養豚との接触の最小化が取られるべきであり、できれば養豚施設の二重の柵の設置、柵の中の豚がいる地域での野生のイノシシの数を減らすこと、他動物に食い荒らされないよう死骸や内蔵などの早急な処理が必要である。

なお、電気柵の網目間隔は、下図の高さ60センチメートルのものが適用されるようだ。

参照「ELECTRIC FENCE FOR PIGS AND HOGS

もし、上記方法にもかかわらず、感染が風土病的になった場合、そのコントロールの方法には、議論がある。
すなわち、狩猟は逆効果を及ぼすという議論があるからだ。
なぜなら、狩猟によって、野生イノシシの行動範囲を拡大させ、長距離での移動を余儀なくさせてしまうということである。
加えて、狩猟によっては、必ずしも野生イノシシの数を減らすことにはつながらない。
野生イノシシを一定の範囲にとどめ分散を防ぐため、栄養補給を行うことは、病気感染の機会を増やしてしまう。
狩猟による野生イノシシの個体調整の場合には、ハンターと獣医とのサーベイランスにおける協力が重要となる。」

引用「African Swine Fever (ASF) recent developments – timely updates」より

各国でも、ASFVに感染した野生イノシシ対策で、各種のマニュアルを作成しているる

以下はそのいくつかの例になる。

Guidelines on surveillance and control of African swine fever in feral pigs and preventive measures for pig holdings

Disease Control Strategy for African and Classical Swine Fever in Great Britain

Can African swine fever be controlled through wild boar management?

また、アフリカ豚コレラ対策に限ってのものではないが、オーストラリアのクイーンズランド州が作成した「イノシシ対策マニュアルが平易に書かれている。

これ

Feral pig control  A practical guide to pig control in Queensland

 

感染野性イノシシの実態調査のためのサンプリング方法について

サンプリング調査の方法としては、伝統的な捕獲調査の他に、より効率的な方法として、「ロープ利用でイノシシの口内粘液からサンプリングを採取する「Rope-based oral fluid sampling」が効率的とする専門家もいる。

これには、以下のようなロープを使っての唾液などの粘液採取となる。

 

参考「COLLECTION OF ORAL FLUID SAMPLES FROM WILD BOAR IN THE FIELD CONDITIONS TO DETECT AFRICAN SWINE FEVER VIRUS (ASFV)

 

また、伝統的な捕獲調査の方法にもいろいろな方法が考えられているようだ。

このサイト「TRAPPING OF FERAL PIGS」はオースリラリアにおけるイノシシ捕獲のための様々なトラップについて書かれていて、興味深い。

一般的に、ウイルスが野生イノシシにまで感染拡大した場合、とりうる手段は限られてくる。

感染拡大後の対策は「Regionalization」(地域限定化)しかない。

その地域限定化のための手法としては、
①サンプルエリアを確定する。
②パッシブサーベイランス(疾病疑い事例の通報に基づく)をする。
③ゾーニング確定
④淘汰(stamping out)へ

ワクチン使用 リング・ワクチネーション(ring vaccination)や地域限定ワクチン(area vaccination)

参考「EU Strategy for ASF – SVA

 

なお、野生イノシシのサーベイランスの種類としては、次のものがある。

①パッシブ(受動的) サーベイランス

死亡や病気のイノシシの報告を受け、感染か否かを検査する。

②アクティブ(能動的) サーベイランス

イノシシの射殺や罠でかかったものについて、感染か否かを検査する。

③センチネル(Sentinel)(定点観測) サーベイランス

指標となるイノシシを決め、定期検査する。

 

 

まとめ

 

上記の中国での感染拡大状況を踏まえ、FAO(国連食糧農業機関)は、遅ればせながらも、2,018年9月7日に、日本を含むアジア諸国の担当者や専門家などを集めた緊急の会合を開き、現在の中国での感染拡大状況は「まさに、氷山の一角」(just the tip of the iceberg)にすぎないとし、アジア諸国に感染が拡大するのはほぼ確実だと警告した。

参考

Asian countries warned that deadly African Swine Fever is ‘here to stay’ – utmost diligence required to avoid major damage to food security and livelihoods

African Swine Fever in Asia: ‘Just the tip of the iceberg’

EARLY DETECTION AND CONTINGENCY PLANS FOR ASF

 

以上

参考-アフリカ豚コレラについての啓蒙ビデオ(英語)

 

 

参考African and classical swine fever: similarities, differences and epidemiological consequences

 

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