環境エネルギーの時代へ
1999年5月19日、東京・星陵会館で「『自然エネルギー促進法』推進ネットワーク・シンポジウム」が開かれ、笹山登生衆議院議員も、パネラーの一人として出席した。
このネットワークは、自然エネルギー推進市民フォーラム、気候ネットワークなどの環境NGO50団体からなるもので、目的は「自然エネルギー促進法」の制定により、
- 電力会社に対し、自然エネルギーで発電した電力の買い取り義務を課す
- 買い取り価格を環境ボーナスを含む水準とする
- 幅広い社会層から参加した新しいルールをつくる
ことにある。
欧米においては、すでにドイツが1991年に地域の住民や企業が風力などで発電した電気を、電力会社が一般電気料金の9割近く高い価格で買い取ることを義務づけた法律が制定されている。
ドイツにならいEU15ヶ国のうち14ヶ国が同じような買い取り制度を創設している。
シンポジウムの席上、笹山議員は、次のような見解を表明した。
- 第一に必要なことは、電力会社、実需者と、NGOとの話し合いのテーブルを設定することだ。そのためには、あまり「原子力のオルタナティブとしての自然エネルギー」という観点を強調しない方がよい。
- 価格設定の理論的根拠については、もっと煮詰めておく必要がある。
- 公共事業への民間活力の導入を旨としたPFI制度に乗っかりうる、運営主体なり、運営システムの検討が必要である。
- 地域特性、風力特性に応じた様々なハイブリッド・システムなり、システムの規模、事業主体についての検討を進める必要がある。
- 蓄電技術の発達(例えば、NAS蓄電池〈ナトリウム・硫黄蓄電池など
〉)によって、小規模の発電施設も可能となり、立地条件も、かなり、緩やかなものとなりうるので、これら周辺技術振興のためのインセンティブも用意する必要がある。
- 離島などの内発的発展力を強化するには、自然エネルギーの振興が必須である。
- 民間企業が、PFI対象事業として食指を動かしうる諸環境の整備が必要である。
笹山議員は、以上のような見解を述べたが、今後とも、環境エネルギーの実用化に向けての幅広い観点からの取り組みを続けるつもりである。
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