Sasayama’s Weblog


2005/08/22 Monday

ホリエモン氏の立候補は、「電気通信役務利用放送法」と「放送法」に違反の可能性あり。

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2005/08/22(Mon)
 
null 「ホリエモン」こと、堀江貴文さんは、株式会社ライブドアの社長である。

このたび、その社長を辞めないで、衆議院選挙に立候補されるという。

そのライブドアとフジテレビジョンとが、ニッポン放送株争奪戦の和解条件として盛り込んだ業務提携の第1弾として、ライブドアは、東京都心部(山手線内全域)で公衆無線LAN(構内情報通信網)サービス「D-cubic」(ライブドアワイヤレス)を始め、フジは番組制作などで利用することで、両社が合意している。

すでに、「D-cubic」から「livedoor Wireless」に名称を変え,試験サービスが東京都の六本木エリアと新宿エリアで8月1日から開始されており、2005年10月1日に、本サービスに移行するとしている。

そこで、これら公衆無線LANを経由した映像配信(ウェブキャスティング)は、電気通信役務利用放送法に該当するかどうかについてであるが、以下の経緯のように、微妙なグレーゾーンにある。

1.総務省が、電気通信役務利用放送法(平成13年法律第85号)以前に作ったガイドライン(平成9年12月18日郵政省策定,平成13年12月26日類型追加)「通信衛星を利用した通信・放送の中間領域的な新たなサービスに係る通信と放送の区分に関するガイドライン」のなかに、
「インターネットによる映像配信サービスに関しては,電気通信役務利用放送法の関係省令により制度の適用関係について定める」という一文があったため、
インターネット関係者の動揺をよんだことで、

2.経済産業省が、総務省の確認の元に、「現在行われているインターネットによる映像等配信サービスは,受信者から送信者に対して何らアクセスがないにもかかわらず,送信者が不特定多数の受信者に向けて,同時かつ一方的に送信する形態ではないため,電気通信役務利用放送法の適用対象にはならない」との文を関係業界に配布したが、

3.これに対して、総務省は、「テレビ受像機に接続して利用する高速インターネット用のセットトップ・ボックス(STB)などを使って,CATVと同等のサービス(送出速度4Mbps超)を提供するような場合は,新法の適用範囲になる」

としている。

通信と放送の違いは,1対1でやりとりするのが通信で,1人が不特定多数の人に番組を流すのが放送であるとされている。

そこでは、オンデマンドであれば、通信であり、それ以外は、放送であるという仕切りがある。

しかし、オンデマンドとは、どのような行為をさすのであろうか。

オンデマンド配信 は、サーバに保存された「送信可能化の状態にあるマルチメディアファイル」を、利用者が見たい時に見たいものだけをサーバにアクセスして自由に再生することをさすが、実際は、ラジオの操作と、大してかわわらない。

公衆無線LAN(構内情報通信網)サービスのスポットゾーンに入れば、ユビキタスの恩典を受けられるのが、公衆無線LAN(構内情報通信網)サービスの特徴であるとするならば、スポットゾーンでコンピュータのスゥイッチを入れ、URLに合わせてクリックすることは、オンデマンド外での、放送でのラジオのスゥイッチを入れ、ダイヤルをあわす行為となんら変わらない。

ましてや、山手線内で、「livedoor Wireless」の無線LANの電波の届く範囲であれば、家庭内で、無線LANをセットトップ・ボックス(STB)と連結して、信号を分割し、パソコン共用型大型テレビや既存の大型テレビを細工するなどして、フジテレビさんご制作の画像配信コンテンツも楽しめることになりうる。

また、ウェブキャスティングのうち、「マルチキャスト技術」に基づくものについては、電気通信役務利用放送法の適用対象とすべしとの意見が、平成17年1月19日の著作権分科会国際小委員会(第3回) で、されている。

したがって、株式会社ライブドアのおこなう、公衆無線LAN(構内情報通信網)サービス「livedoor Wireless」は、総務省の見解の解釈の延長戦で考えれば、電気通信役務利用放送法の適用すれすれのグレーゾーン領域に入るものと思われる。

であるとすれば、それら事業を営む経営者としての立場は、モラル的には、電気通信役務利用放送法準適用の立場での、政治的に公平な姿勢を保つことが必要なのではなかろうか。

この電気通信役務利用放送法においては、第十五条に「放送法の準用」というのがあって、「放送法第三条、第三条の二(第二項を除く。)、第三条の三から第五条まで、第五十一条から第五十二条の三まで及び第五十二条の二十七の規定は、電気通信役務利用放送(他の電気通信役務利用放送事業者の電気通信役務利用放送又は放送事業者の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にこれらを再送信するものを除く。)について準用する。」とある。

そして、放送法の第三条の2 第一項においては
「第三条の二
 放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」とある。

これらのことから、公衆無線LAN(構内情報通信網)サービス「livedoor Wireless」の事業者たる株式会社ライブドアの社長堀江貴文氏が、社長を辞めずに、特定政党の実質推薦の元に、衆議院選挙に立候補することは、電気通信役務利用放送法15条ならびに、放送法第三条の2の立法趣旨からみて、モラル的に、きわめて問題の多い立候補であるといえる。

参考サイト
「ネット映像配信は「通信利用放送法」の適用対象か?」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020226/1/
「ウェブキャスティングに対する著作権法による保護を導入することの適否に関する考察、及び、保護方法についての提言」
http://web.sfc.keio.ac.jp/~s01249kk/soturon2.htm
「ブロードバンドで地上波放送を観る日〜通信と放送の融合」
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0311/special.htm
「通信・放送融合サービスの健全な発展に向けて」
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/group/tsusin/PDF/001025d55101.pdf
「電気通信役務利用放送法」
http://www.ron.gr.jp/law/law/den_hoso.htm
「放送法」
http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM
「通信衛星を利用した通信・放送の中間領域的な新たなサービスに係る通信と放送の区分に関するガイドライン」
http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011226_1.html#betten

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