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:牛の安全性について:金子清俊氏の見解(2001年9月28日)

Q1:
現在、厚生省では「牛肉は安全」だとしておりますが、
消費者の一番の問題である、牛由来の産物の安全性についてお教えください。

A1:

これは、正直申し上げて、絶対に大丈夫とは言いきれない部分があると言う、感染の
確率がゼロではないことが問題です。話を国産牛に限ります。

まず、一番肝心なことは、狂牛病に罹患した牛がどのくらいいるのか、と言う点で
す。過去に感染し、既に食品加工された牛がどのくらいいたかについても、現時点で
の感染率から推定するしか方法がないと思います。それに関しては、今は視診のみに
頼っていますが、それで症状が顕性化する前の牛が見逃されている可能性は否定でき
ません。しかし、その頭数が数百頭、数千頭、数万頭に及ぶとは考えにくいです。イ
ギリスでは、最終的には18万頭余の牛が狂牛病に感染しましたが、その多くは明ら
かな臨床症状が出ていました。ドイツでは、症状のない牛に検査を行い、(当初、安
全宣言を出す目的だったようです)案に相違して、陽性例が出てきました。しかし、
最終的にBSEと診断された頭数は数十頭だったと思います。今回の千葉の牛も、典型
的な狂牛病の症状を出していたわけではなく、原因不明の牛は検査すると言う規定に
のっとって検査をしたところ陽性だったというふうにうかがいました。つまり、ドイ
ツの状況に近いわけです。日本全体では、おそらく140万頭以上の牛が飼育されて
いますが、ドイツその他の欧州本土の例から考えると、多くて数頭ないし数十頭が感
染しているかもしれないと言うのが現状ではないかと推察します。確たる根拠がない
といえばないのですが。

次に重要なのは、牛から人への感染性です。これは、(1)種の壁、(2)臓器別の
感染力の強さ、(3)摂取量の3つの要素によって決まります。

(1)種の壁:これが実際にどの程度の防御力を持っているのかは不明です。しか
し、感染に重要な部分の配列がかなり異なっている事実からも、この牛から人への感
染効率は非常に低いと考えます。ただし、これがゼロではないことが問題です。

(2)既に良くご承知の通り、感染力価の高い臓器は禁止されました。
牛乳:これに関しては、実験データ等からほぼ100%安全と考えられます。脂肪
滴、免疫グロブリン等は含まれますが、異常プリオンの担体となり得る分子は通常は
混入しません。乳腺炎等を起こした牛の問題についての議論がありますが、それに関
する詳細は存じません。通常の感覚では、そのような牛からは採乳されないと考えま
すが、私は詳細は知りません。
精肉:これに関しては、肉そのものよりも、汚染の問題、中でも脊髄の汚染の問題が
大きいと思います。欧州に準じて、背割りは止めるべきと思います。欧州では、中枢
神経に触れない屠殺方法で、牛が苦しみながら死んでいく映像が流れて、逆に非常に
大きな波紋を投げかけています。そのために、1000万円以上もする機械が導入さ
れているところもあるようです。また、異常プリオンが蓄積するには時間がかかりま
す。その観点からは、生後30ヶ月以上の牛を食品の流通からはずすと言う判断は的
を得ています。
モツ類:脳、脊髄は既に食用に供することが禁止されました。小腸の一部、肝臓等に
関しては、今規制をどうするか検討中とのことですが、既に東京都は、モツの使用に
関して(脳検査体制の整う)来月下旬まで自粛を指導するとのことです。狂牛病感染
の可能性さえ排除されれば必ずしも食用を禁止する必要はないのですが、今の時点で
は年には念を入れようということでしょう。

(3)摂取量
これは、どの程度摂取するのかということです。当然、多量に摂取を続ければ蓄積さ
れていきます。また、(2)項の蓄積に要する時間の問題にも関連します。
まとめますと、実際の狂牛病罹患牛の頭数、種の壁、感染力(汚染問題含む)、摂取
量の各要素によって、危険率が規定されると言って良いと思います。これらを総合的
に考えますと、私見では今の日本の国産牛由来の牛乳、牛肉によって異型CJDに罹患
する確率は非常に低いと考えます。ただし、今すぐにするべき事は、罹患牛の正確な
把握(これは視診のみならず脳検査によって)、精肉処理法の変更、感染力価の高い
部分の食用禁止、万が一に備えての異型CJDの診療体制の整備、治療予防法の開発で
す。肉骨粉問題も禁止の方向で決着がつきそうな新聞記事を拝見しました。狂牛病症
状を出した牛由来の肉、それも背割りやミンチなどで脳、脊髄等で汚染された肉(1
8万頭余の狂牛病罹患牛)が10年にわたり市場に出回り、繰り返し繰り返し、直接
人の口に入っていた英国の状況とはかなり違います。

また、以下の2点はどなたも言及していないことですので、知っていただく必要があ
ると思います。
(1)我々を含めた動物には、体内に入った異常プリオンを、自然に排泄する機構が
生来備わっていると考えられています。異常プリオンが体内にとどまる間に、異常プ
リオンがどんどん生成された場合にプリオン病を発症すると考えられますが、作る量
よりも排出量が多ければ発症を防げるわけです。つまり、どんな少量でもいった
ん口にしたら蓄積されてしまって二度と体外へ排出されないと言うことではありませ
ん。ただし、正確にどの程度の異常プリオンがあれば、排出量を上回るのかはわかっ
ていません。

(2)もともと人にも孤発性CJDという、狂牛病と関係のない自然発生型ヤコブ病
が古くから存在しており、約100万人に一人の率で発症します。この頻度は全世界
共通です。つまり、毎年日本全国で毎年100人強の方が発症している計算になりま
す。これは、過去6年間に英国で発生した異型ヤコブ病の総数に匹敵します。我々
は、狂牛病罹患牛を食べなくとも、自然にヤコブ病に罹患する危険をそもそも持って
いるのです。異常感染型プリオンの基となる正常型プリオンが、自然に異常型に変換
し蓄積する、つまり孤発型CJDを発症する確率が毎年百万人に一人ということなので
す。これは、今の日本で異型ヤコブ病に罹患する確率よりもはるかに大きいと推察し
ます。

どなたかも言っておられましたが、今消費者としてどう対応するかに関しては、これ
らの情報に基づいて消費者が自分で判断することだと思います。今も欧州では、牛肉
を食べ、牛乳を飲んでいます。安心できる体制が整備されれば、例え狂牛病と診断さ
れる牛が出ても、それが食品流通経路に紛れ込まないという安心があれば、良いので
す。もちろん、狂牛病を根絶する努力は絶対に必要ですが、狂牛病の牛が出ていて
も、必ずしも肉を食べない、牛乳を飲まないと言う行動に出る必要はないということ
です。そのためには、前記のの厚生労働省の対策を迅速に進めることです。また、
我々の研究をさらにスピードアップすることです。

ただし、個々人から考えた場合には確率は低くても、日本全体から考えますと、確率
がゼロでない限りどなたかが異型CJDに罹患される可能性はあるわけです。行政の立
場としては、その点をよく考えるべきです。私も他人事ではありません。

わかりにくい部分、論理に統一性がない部分もあるかもしれません。ご指摘の上、ご
容赦願います。

金子清俊 拝



Q2:
千葉で発生した狂牛病と輸入肉骨粉の因果関係について

狂牛病、欧州の病原体と一致…感染源は輸入肉骨粉か

国内で初めて狂牛病の感染が確認された乳牛の病原体「プリオン」は、
欧州で流行した病原体とタンパク質構造が一致しているとみられることが
27日、農水省関連の動物衛生研究所(茨城県つくば市)の検査などでわかっ
た。狂牛病のプリオンは欧州で確認されている1種類しかないことから、
感染源が欧州産の肉骨粉飼料である可能性が極めて濃厚となった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20010928-00000101-yom-soci
(ヤフーニュース版より) 
この件についての見解について

A2:
これに関しては、やや論理が飛躍していると思います。つまり、ウエスタンブロット
上の糖鎖のパターンに基づいた話ですが、そもそも今まで牛の狂牛病のパターンは欧
州でも一種類しかないため、これが本当に同じ起源なのか、あるいは牛のプリオン蛋
白は一種類のパターンをそもそも取りやすいのかが区別できていないのです。両方の
可能性があると思います。もしも牛のパターンが複数認められた場合には、上記の
データは意味を持ってくると思いますが、、糖鎖の検査だけでは正確にパターンの決
定が出来ません。

例えば牛のパターンに、1-4型の4つのパターンがあったとします。欧州はこのう
ちの1型で、日本も1型だったとしたら、これは欧州由来の可能性が濃厚といっても
良いと思います。しかし、今のところ狂牛病のパターンは1型だけです。ですから、
例え日本独自の狂牛病であっても、もともとの牛の性質として1型をとりやすいから
1型になっただけという可能性はあるのです。しかし、逆にいえば欧州由来を否定す
る根拠もありません。

日本独自の狂牛病とは?肉骨粉と関係のない、自然発症した狂牛病のことです。人で
は、自然発生型ヤコブ病は、約100万人に一人発症します、日本全国で毎年100
人が発症している計算になります。自然界にはプリオン病がもともと自然に存在して
いるのです。牛の飼育頭数を考えれば、自然発症の狂牛病があってもおかしくありま
せん。日本独自とはそういう意味とお考え下さい。今考えられる千葉狂牛病の由来
は、(1)肉骨粉(欧州由来)、(2)自然発症(日本独自)のどちらかと考えられ
ます。今回の糖鎖のパターンのみからは、このどちらかを最終的に結論付けるのは不
可能です。ねずみへの摂取による実験が必要です。

しかし、この報道の意義はあると思います。まだ結論がついていない段階であって
も、このような可能性が疑われるというデータを知らしめたわけですから。

Q3:
本当はFGHが先ですが、多分掲載する場合一般市民が一番知りたいことは
牛の安全性についてだろうと思いますので、先にさせていただきました。
連絡先とは別に、見解だけの欄をつくっていただきたくお願い申し上げます。
インタビュー者は、
狂牛病の真実を一般市民に伝えたい、
まりちゃん@肉食わぬ@http://nikukoppun.tripod.co.jp
とでもしておいてください。
A3:

基本的に、我々は先達の経験を、英国、ヨーロッパの経験を生かすべきです。特に、
イタリアは見事な対応振りだったそうです。現在まで、狂牛病の牛が約20頭見つ
かっておりますが、徹底したスクリーニング系の確立と、食肉処理の際の汚染防止の
徹底振りから、最初のBSEが見つかった後、2頭目のBSEが見つかっても国民は非常に
冷静だったそうです。国民性の違いはあるにせよ、やはり正確な情報の公開と、理論
的な対策が迅速に成されていることが国民に安心感を与えたのだと思います。その意
味では、厚生労働省の対応振りは、際立っていると思います。今回の牛が発見される
前に、既に抜き打ちでのBSE検査が予定されており、今回の陽性牛の存在が明らかに
なった後に、直ちに100万頭まで拡大すること、10月末までにその検査体制が整
う予定です。市場には30ヶ月以上の牛の流通禁止、脳、脊髄等の感染性の高い部分
の食用禁止、さらに感染性の低い部分の取り扱いについても近々対応が発表されま
す。それに引き換え、骨肉粉問題の対応はやや対照的です。
豚、鶏、魚の安全性についての信頼できる見解

国立精神・神経センター神経研究所 金子清俊氏の「豚、鶏、魚の安全性について」の見解です。
この見解は、2001年10月1日現在の、狂牛病先進国イギリス、ヨーロッパの状況と、最先端の研究をされている金子さんの最新研究結果をもとに構成してくださっています。しかし、この病気は、ほんとうに新しい病気ですから、まだ全容が掴めていないのが、全世界の研究者の実状です。
ご自身にて、日々の、あらゆる情報の更新にご注意ください。(toya)

>以下は『まりちゃん@農水と厚生省がウソツキ止めてちゃんと仕事するまで肉食わぬ』さんからの情報です

※この内容について何かありましたら<<狂牛病関連情報蓄積スレ>>に投稿願います
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news2&key=1002408166

引用については必ず「http://nikukoppun.tripod.co.jp/より抜粋」と記載してください。
公的メディア(新聞、雑誌、TVなど)への引用は、まず、ご連絡ください。

肉骨粉で生育された豚、鳥の精肉や魚は、現在、市場にかなりの量が出回っております。
10月1日現在、厚生労働省は「豚、鳥、魚は感染しないので安全」と しております。
金子さんは豚、鳥の精肉や魚に関してはどのようにお考えになりますでしょうか?ぜひお教えください。

[質問1] 豚の安全性について

 プリオン蛋白の配列から推察しますと、鳥への感染の危険は、天文学的なスケールで限りなくゼロに近いと考えます。ただし、豚はどうでしょうか?実際に、濃厚な狂牛病汚染飼料を投与した豚が発症しないというのが、安全とする根拠でしょう。ただし、狂牛病罹患牛の脳を直接脳内投与した場合には、豚は発症します。つまり、経口投与の場合でも、長期間投与し飼育しておけば豚も発症する可能性があります。逆にいえば、プリオン病の発症には感染プリオンがある程度蓄積しなければならないわけです。
 今の流通制度ですと、豚は1年以内に食肉化されているとうかがいました。したがって、例え狂牛病飼料を食べていたとしても、豚を発症させるだけの異常プリオンの蓄積には至っていないのが現状と考えます。

 では、それが人の口に入ったとしたらどうなるのでしょうか?もともと我々を含めた動物には、体内に入った異常プリオンを、自然に排泄する機構が備わっていると考えられています。異常プリオンが体内にとどまる間に、異常プリオンがどんどん生成された場合にプリオン病を発症すると考えられますが、作る量よりも排出量が多ければ発症を防げるわけです。つまり、どんな少量でもいったん口にしたら蓄積されてしまって二度と体外へ排出されないと言うことではありません。正確にはどの程度の異常プリオンがあれば、排出量を上回るのかはわかっていません。
 しかし、種の壁という安全弁の存在下ですと、たとえ万が一上記のような豚由来の異常プリオンの蓄積があったとしても(この点は現時点では全くの推測の域を出ません)、それが人にプリオン病を発症させる可能性は(人の寿命を80年として)限りなくゼロに近いと考えます。

 狂牛病症状を出した牛由来の肉、それも背割りやミンチなどで脳、脊髄等で汚染された肉(18万頭余の狂牛病罹患牛)が10年にわたり市場に出回り、繰り返し繰り返し、直接人の口に入っていた英国とは状況が違います。(以上 金子氏)

■ 金子氏の見解を受けて、一消費者より行政&生産者へのお願い

例え、豚の生育期間が1年(行政担当者はご確認ください)で飼育されることを受け、また、人への感染の可能性が限りなくゼロに近いとしても、それはゼロではありません。

また、肉骨粉を与えて飼育された鶏も、スーパーできれいに調理された肉だけを買うわけではないのです。
豚や鶏の残さ(ガラ等)は、あらゆるところで使用されています。そして、加工品を作るのにも、一度に多数の個体を使用して作るため、リスクは拡大します。

可能性ゼロではないリスクを産む肉骨粉の飼料使用を、一刻も早く中止願います。
また、家畜に使用されている医薬品の由来についても、早急に確認願います。

行政が早急な対応を行っていただかなくては、動物製品に依存して生活している日本国民全体(消費者、生産者、企業全て)がゼロではないリスクに晒されますし、いま現在も、晒されています。肉骨粉などの、リスクを持つものを禁止するなど、金子氏が述べられている方法を行政が取るまで、完全な「安全宣言」はないのです。
よろしくお願いします。(toya)

[質問2] 豚の頭や脊髄などを使用した食品についての危険性について
※質問者注 下記の見解は、豚の飼育状況=1年として考えた場合です。
 福岡県の県庁 畜産課092-651-1111に電話し、確認したところ、種豚の平均飼育期間は3年だそうです(10月4日確認)

 豚の脳に関して、それぞれの要素を考えてみますと、実験的には、狂牛病濃厚汚染飼料を与えつづけても豚は発症しないが、脳に直接注射すると発症することから、牛と豚の間の種の壁がある程度は作用しているようです。かなり大量の狂牛病汚染飼料を長期間投与し、なおかつ豚を数年飼育した場合には、問題になってくる可能性があります。
 しかし、今の豚の飼育情況からしますと、もしも万が一少量汚染された豚がいたとしても、その脳に問題となるレベルの異常プリオンが蓄積している可能性は極めて低いと思います。
 実際、6ヶ月以前の牛であれば、ヨーロッパでは今でも牛脳を食べることは禁止されていません。ヒツジ脳に至っては、全く規制されていないと思います(100%確かではありません、すみません)。更に加えて、豚と人の間には、かなり強力な種の壁があります。

 牛の脳であれば、0.1gでも感染する、というのは、狂牛病の症状が出た牛、つまりかなり感染型プリオンが蓄積した牛の脳を、直接同じ種である牛に与えた場合であって、人の場合は全くあてはまりません。(以上 金子氏)

[質問3] 鶏の安全性について

 鳥に関しては、私は問題ないと思います。プリオン蛋白の配列が哺乳類と余りに違いすぎます。魚も同様の理由で、感染型プリオンに関しては安全です。

[質問4] 家畜への動物由来 医薬品投与での感染の可能性は?

→これは研究者の方への質問というよりも、政府が生産者側に確認すべきことですが、少なくとも今の報道を見る限り家畜に投与する医薬品に触れている内容はございません。先生の見解をお教えください。(toya)

 これらに関しては、大変重要な問題です。牛由来の成長ホルモンは、牛の脳からの抽出ホルモンは使用が禁止されています。抗生物質に関しては、申し訳ありませんが正確な情報を把握しておりません。

[質問5] 牛肉の危険部位を除く「精肉」の安全性について

 精肉の安全性に関しては、肉そのもの以外にも、血液中のリンパ球や、付随するリンパ組織などが少量ありますから、理論的には感染力がゼロとは言えません。ただし、リンパ組織等の感染力の強さと、精肉中の存在量の問題を考えた場合には、欧州委員会やWHOの見解と同じく、安全と考えて良いと思います。
 むしろ、問題は背割りです。ご存知のように、英国では1995年に禁止されています。

 欧州の対応の原則は(当初の英国の対応、狂牛病の人への感染の可能性に関する誤った認識を除き)、「慎重の原則」です。言葉を変えれば、「疑わしい場合はしかるべき対応を」、とことでしょうか。我々も、先達である欧州の対応を踏まえた対策を取るべきで、厚生労働省の対応はその原則にのっとり欧州の対応を参考にしたものだと思います。

[質問6] 養殖魚への感染の可能性

→日本は、たぶん、世界で一番魚を食べ、養殖が盛んであり、消費も世界一と理解しております。海老などはその他のアジア国で養殖されるとしても、消費は日本が世界一です。発病しないとしても、異常プリオンは魚類の体内にとどまるのでしょうか?それとも全部排泄されているのでしょうか?
個体が小さいだけに、フライなどでは頭からまるごと、ガリガリ食べることもあります。
鮭など、海に出て回遊する魚が他の天然魚に捕食されたり、また、浅瀬で死に、浅瀬の貝などの養分になることを考えると、その環境への拡散が懸念されます。
魚に与える肉骨粉からのリスクは日本が一番大きいと思うのですが。(toya)

 狂牛病プリオンは、魚介類との配列があまりに隔たっているため魚介類そのものへの影響は天文学的なスケールでゼロに近いと考えられます。

もともと人間を含めてプリオン蛋白を持っている動物では、自然に感染型プリオンが生成される可能性があります。人間の場合は100万人に一人が毎年自然にプリオン病(ヤコブ病)を発症しています。それだけであれば、自然のサイクルの中で問題にはならないのですが、今回の狂牛病、羊のスクレイピーなど、牧畜、飼料としての再利用等により人為的に感染による広がりが起きてしまったわけです。
 上記の懸念に関しましては、今までの狂牛病プリオンを、もうこれ以上増やさず、検出されたら全部焼却により淘汰していくしかありません。(以上 金子氏)

[質問7] 豚の肉骨粉について(2001年10月7日質問)

金子さんは、先に同種間の感染率に関してはとても高いとおっしゃっておりましたが、もし、種豚など、長く生きた豚が感染し、それが肉骨粉となり、他の豚の餌となった場合は、やはり豚の間で、現在の牛と同じような悲劇が起こる可能性はあるのでしょうか?(toya)

前回のemailでもお伝えしましたが、豚が数年に渡り長期間飼育されたとしたら理論的には可能性はありえます。ただ、それがどの程度の可能性なのかはわかりません。

■ 金子氏の見解を頂戴して、一消費者から行政&生産者へのお願い

魚類は、小さいので、丸ごと一匹購入し調理した場合、異常プリオンが混入している可能性のある「肉骨粉」が魚の消化器官に残留することを考えると、消費者は、購入を躊躇します。
また、養殖魚に与える抗生物質などの「医薬品」の由来に関しても、同様の心配を起こさせます。また、異常プリオンの環境への拡散も懸念されます。

また、肉骨粉と接する漁業関係者、そしてスーパーなどの魚の調理担当者の安全と、生産側の風評被害を考え、一刻も早く、養殖魚への、肉骨粉などの使用を、豚、鶏と合わせまして禁止することをお願いいたします。

安心なお魚を販売し、食べたいのは生産者、消費者、共通の願いです。(toya)

※金子氏にお教えいただいた内容より抜粋

===(略)ただし、今すぐにするべき事は、
◎罹患牛の正確な把握(これは視診のみならず脳検査によって)、
◎精肉処理法の変更、
◎感染力価の高い部分の食用禁止、
◎万が一に備えての異型CJDの診療体制の整備、
◎治療予防法の開発
です。骨肉粉問題も禁止の方向で決着がつきそうな新聞記事を拝見しました。
===(略)
これらは、すべて実施の方向で進んでおります。
精肉処理、低感染力価の部分の取り扱いは近々検討されると公報ないし新聞報道されています。(以上 金子氏 9月28日現在)

■ 国・県・市・区役所・保健所、畜産・水産・医薬品等、関連の諸団体のご担当者と、生産者の方、また、肉エキスやアミノ酸など、原材料の添加物を作る企業の皆さん、引いては、それらを購入し「自社製品」として販売する企業の皆さんへ

他人まかせにせず、早急なご対応をお願い申し上げます。
そして、今回の轍を踏んで、今後は、例えば飼料や原材料に由来が何からであるかを、自主的に記載するなどの対策を、切に希望します。
9月27日時点の英科学誌ネイチャーに、
「日本政府が〜適切な予防策を取られると信じる根拠は殆どない」
と指摘された現状の「対策」を改め、この恐るべき災禍を防ぎ、世界に通用する優良で安心な食材を提供していただきたく。。(toya)

なお最後に。。

治療予防法開発に関しては、皆が取り組んでいます。私の力のみならず、世界が協力してこの大目標を達成していく必要があります。

金子清俊 拝

金子清俊先生、お忙しいなか、ほんとうにありがとうございました。

乱文お許しください。(toya)


鶏卵の安全性についての信頼できる見解

国立精神・神経センター神経研究所 金子清俊氏の見解です。
この見解は、2001年10月1日現在の、狂牛病先進国イギリス、ヨーロッパの状況と、最先端の研究をされている金子さんの最新研究結果をもとに構成してくださっています。しかし、この病気は、ほんとうに新しい病気ですから、まだ全容が掴めていないのが、全世界の研究者の実状です。
ご自身にて、日々の、あらゆる情報の更新にご注意ください。(toya)

>以下は『まりちゃん@はやく肉骨粉ヤメレ』さんからの情報です

※この内容について何かありましたら<<狂牛病関連情報蓄積スレ>>に投稿願います
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news2&key=1002408166

引用については必ず「http://nikukoppun.tripod.co.jp/より抜粋」と記載してください。
公的メディア(新聞、雑誌、TVなど)への引用は、まず、ご連絡ください。

質問)卵について
土壌が汚染されますので、肉骨粉の使用は早急に停止を要望いたしますが、まず、食品としての卵についての危険性をお伺いします。

ヨードを食べさせるとヨード卵になり、パプリカという赤い色素を入れると赤くなる卵ですが、鶏は毎日卵を産みます。ブロイラーの中では、生産効率を考え、日夜点灯し、一日に卵を2個産ませるという話も過去に聞いたことがございます。
素人考えですと、肉骨粉を与える→そのまま卵に栄養(蛋白質)が凝縮されると考えてしまいますが。。

肉骨粉を与えている卵は大丈夫だとお考えになりますでしょうか?
また、卵にも、ときどき、血液のまじったものや、なにか異物のまじったものはよく料理を作るときに見かけます。(toya)

 鳥の体内では、狂牛病プリオンはまず100%増殖しませんので、飼料に狂牛病の異常プリオンが混入していた場合、それが卵に集積されるかどうか、というご質問と解釈いたします。異常プリオンのお話ですので、話を蛋白質に限ります。卵の蛋白質を作るためには、飼料から得た、あるいは体内で新しく合成したアミノ酸を使います。
 しかし、異常プリオンは分解されにくいために、かえって逆に卵や、体を作るアミノ酸になりません。したがって、卵は安全と考えていただいてよろしいでしょう。


肉骨粉の植物への肥料使用・コンクリートへの使用についての信頼できる見解

国立精神・神経センター神経研究所 金子清俊氏の見解です。
この見解は、2001年10月1日現在の、狂牛病先進国イギリス、ヨーロッパの状況と、最先端の研究をされている金子さんの最新研究結果をもとに構成してくださっています。しかし、この病気は、ほんとうに新しい病気ですから、まだ全容が掴めていないのが、全世界の研究者の実状です。
ご自身にて、日々の、あらゆる情報の更新にご注意ください。(toya)

>以下は『まりちゃん@はやく肉骨粉ヤメレ』さんからの情報です

※この内容について何かありましたら<<狂牛病関連情報蓄積スレ>>に投稿願います
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news2&key=1002408166

引用については必ず「http://nikukoppun.tripod.co.jp/より抜粋」と記載してください。
公的メディア(新聞、雑誌、TVなど)への引用は、まず、ご連絡ください。

質問)植物栽培や畑など土壌への肥料について

感染リスクの高い肉骨粉の、植物への肥料使用はどうお考えですか?
土壌汚染につながるとのことで、英国の肉骨粉は、飼料も含め、世界中から拒否されているとのことですが、もし金子さんも意見を同じくするのであれば、肥料としての(現在の危険性のある)肉骨粉の使用についても触れていただければ幸いです。(toya)

 植物そのものへの影響は、卵と同じ理由でまず大丈夫と考えます。土壌が汚染された場合の問題は、その土壌で家畜が飼育される場合です。その心配ゆえに、汚染された可能性のある肉骨粉は使用されるべきでないと考えます。
 当初の目的が牛以外ということであったとしても、それが牛に転用されるケースも後を絶ちません。ましてや、土壌が汚染されてしまったら、いつか忘れ去られた後に、再度牛が飼育され、狂牛病が再出現する恐れもないわけではありません。もとから絶つ、という姿勢が重要だと思います。
 実は、これと同じ事がヒツジでは過去に起きています。スクレイピーというヒツジのプリオン病が出現した農場で、何年か経った後に再度ヒツジを飼育したところ、再びスクレイピーが出現しています。

■ 金子氏の見解を受けて、質問者より、生産者へのお願い

安全が、一番大事です。
畑や養鶏場で生産される食物の安全はもちろん、と殺場や、肉骨粉を生産される工場の皆さんと、生産現場で働く生産者の皆様の安全が、一番大切です。
異常プリオンは、遅効性の、恐ろしい毒物なのです。感染し、発病したら100%致死性の。肉骨粉の即刻使用停止を、要望いたします。

宮澤賢治の小説にも出てくるけれど、ほんの少し前まで、牛乳や卵、お肉は、とても高価で栄養価の高い、手に入りにくい食品だったんです。
食の安全性と、他の生き物を犠牲にして生きていることへの感謝の念について、早急に、考え直さなければならない時期にきているのだと思います。
金子さん、ありがとうございました。(toya) 2001年10月1日

問)肉骨粉をコンクリートに使用することについて(2001年10月12日)

肉骨粉をコンクリートに使用することについて、以下のような声がでております。

・"摂氏1500度でもプリオンは無傷"(英文) >とにかく熱に強いらしい
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://www.socialequality.org.uk/bse-2.shtml
・危険なのは、粉末のまま扱う生コンプラントから風で飛散する場合です
・ミキサー車の排水なども同様です
・左官屋サンもコンクリートを扱うことが多い様なので要注意 等

金子さんはどのようにお考えになりますか?(toya)

 セメントに混ぜられて製品化される段階では、完全に不活化されている必要があります。上記の場合は、完全に不活化された後の粉末であって、感染性がないということでなければなりません。

 金子 拝


母子感染についての信頼できる見解

国立精神・神経センター神経研究所 金子清俊氏の見解です。
この見解は、2001年10月1日現在の、狂牛病先進国イギリス、ヨーロッパの状況と、最先端の研究をされている金子さんの最新研究結果をもとに構成してくださっています。しかし、この病気は、ほんとうに新しい病気ですから、まだ全容が掴めていないのが、全世界の研究者の実状です。
ご自身にて、日々の、あらゆる情報の更新にご注意ください。(toya)

>以下は『まりちゃん@はやく肉骨粉ヤメレ』さんからの情報です

※この内容について何かありましたら<<狂牛病関連情報蓄積スレ>>に投稿願います
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://kaba.2ch.net/test/read.cgi?bbs=news2&key=1002408166

引用については必ず「http://nikukoppun.tripod.co.jp/より抜粋」と記載してください。
公的メディア(新聞、雑誌、TVなど)への引用は、まず、ご連絡ください。

質問)英国の最新情報:母子感染のニュースについてお伺いします[卵と豚に関する疑問も含む] (10月2日)

新型ヤコブ病で母子感染 BBCニュース(2001年9月28日)
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://news.bbc.co.uk/hi/english/health/newsid_928000/928284.stm
英国医療微生物学者 Dr. Steve Dealler さんのサイト
http://web.archive.org/web/20011018111601/http://neon.airtime.co.uk/bse/welcome.htm
ゼラチン、牛脂、母子感染、血液感染、他多数の情報

人間や牛が、胎内で子供を育てるときには、子供の栄養として、蛋白質はアミノ酸に変換されて吸収されるのでしょうか?そうなのに、感染するというシステムなのであれば、素人考えで恐縮ですが、卵も、アミノ酸に分解されて蓄積されるが大丈夫か、と考えてしまいます。
「鶏は発症しない」→ これが種の壁による防壁というものでしょうか?それであれば安心なのですが。。

また、母子感染があるとすると、何年も生きたかもしれない感染した親豚から産まれた子豚は、よりリスクを持つのかと素人考えで考えてしまいます。。

金子さんの見解をお教えいただけましたら幸いです。(toya)

 母子感染の機構は、母親の体内で増殖しつづけている異常プリオンがあることがまず前提です。それに由来する流血中のリンパ球表面の感染型プリオンそのものが、胎盤を介して子供に伝播すると考えられます。生育のために、胎児は胎盤を介して恒常的に母親の血液にさらされているのです。その血液中に増殖中の感染型プリオンがあった場合のお話です。胎児の体を構成するアミノ酸の話ではありません。

 前回のemailでもお伝えしましたように、牛と鳥という桁外れに強力な種の壁があるために、鳥の体内では感染型プリオンは増殖しません。

 豚の場合ですが、これも前回お伝えしましたが、もともと豚は通常12ヶ月以上生育させない上、例え汚染された飼料を摂取しつづけたとしても、種の壁との相乗効果によって、豚体内での異常プリオンの増殖は、万が一あったとしても非常に低く押さえられていると考えられます。この状況で子豚に感染する確率は極めて低いと考えます。
 ただし、親豚が長期間飼育されているとすれば、ご指摘の可能性は理論的には成り立ちます。これは、増殖中の有意な量の感染型プリオンが親豚の体内に出現してきた場合の話です。

 例えば、病気の診断等においてセカンドオピニオンを求めるように、重要な問題であればあるほど、自分の意見を絶対に正しいとせずに、いろいろな可能性を考えることが重要です。この掲示板もそのために存在するものと考えます。私自身の意見に関しましても例外ではありません。
 正直なところ、「果たして本当にそう言えるのか?」、と常に自問自答を繰り返しております。しかしながら、100%の確信が持てないからといって何も発言しないことは、私ども研究者には許されないと考えます。
 少なくとも、一定の見解を公にすることは我々の義務であると考えます。今まで述べさせていただいた意見は、現時点で私がもっとも妥当であると信じる見解ですが、あえて私見と言わせていただきます。私を含めた複数の意見をごらんの上、最終的には皆さんが判断されることだと思います。

金子 清俊 拝

■ 金子氏の見解を受けて、質問者よりコメント

私は、かつて医療界で働いていた関係で、5年以上前に、牛血を携えて仕事をしておりました。会社は米国に本社があり、米国の感染予防コントロールの実状を見、比較的情報を早く手にすることができる環境におりました。その頃です。狂牛病の恐ろしい噂をきくようになったのは。そのときから、池田政行先生のサイトで勉強させていただいたりなど、自分なりにも調査しておりました。

この病気は、新しい病気です。まだまだ、全容が解明されておりません。その中で、金子さんら学者のみなさんは最新の研究を行っておりますが、その金子さんたちがおっしゃること以上、今、世界でだれもこの恐ろしい病気のことを知っている方はいないのです。

ただ一つ言えることは、この恐ろしい狂牛病の被害をすこしでも最小限に食い止めるためには、肉骨粉を全面禁止、背割りを止めるなどの、金子さんがおっしゃったことを実行するしかないのです。

現時点での、最新の情報をもって、その研究を公開していただいた金子さんに、心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。(toya)2001年10月2日

■ 消費者からのお願い

行政担当者、および生産者は種豚を何歳まで飼育しているか、また、その豚はと殺後どのように処理されて いるか、また、その流通に関してを、至急確認願います。
数年間飼育した豚については、金子さんの見解を ご覧ください。けして安心とはいえません。(toya)

質問「いままで通りの食生活」について(2001年10月16日)

最近金子さんは、上記のような見解を述べられておりますが、過去の「信頼できる
見解シリーズ」とは少し主旨が異なるような気がいたしますので、ご質問させていただきます。

私が見た中では、誠に残念なことですが、現在加工品がこれほど流通した世の中で、

子供のお昼に、イタリアでは汚染が問題になり感染源と疑われている食品や、
牛などのガラで取ったスープ食品や、まだ安全性が未確認の
牛エキス入りインスタント食品を食べさせ、
夜は、やはり、加工品の、牛エキスなどのまぜものが多い食品を
食べさせる、という食生活をさせているご両親もいないわけではありません。

感受性が高いであろう子供には、特に、リスクを避ける生活を
させたいと考えており自衛している親ももちろんいるはずですが、
中には、上記のような生活もあります。

「普通」の概念は人によって異なりますので、難しいところでございますが
金子さんはどのようにお考えになりますでしょうか。(toya)


394 名前:まりあ@肉大好き”管理”人さんへ投稿日:01/10/16 14:17 ID:hmb9rbOo
金子氏のご返答

時事通信社の記事に対しての反応をいくつかいただきました。それに関する私の返事
を下にお示しします。

はじめに、私がお話したニュアンスとやや異なったニュアンスでニュースにされてし
まった点をまずお断りします。私のところにファックスが送られてきましたのは、記
事になってしまった後です。限られた時間内ではどうしても完全な意思の疎通はでき
ませんし、ましてや電話取材の場合はなおさらです。

基本的には、灰色の部分、特に加工食品のところは、私は現時点では慎重に判断すべ
きと言いつづけてまいりました。ただ、その心配が昂じると、何も食べられなくなっ
てしまう、何が危険か、何が安全か、判断できるまで何も食べないわけにはいかない
ですね、という趣旨での発言とご理解ください。

これも、私が言いつづけてまいりましたことですが、消費者の側の不安をやわらげる
ための発言と行政のとるべき態度とは全く別です。行政は最悪のシナリオを想定し、
疑わしきは罰すると言う立場、いわゆる「慎重の原則」に立つべきです。この対応が
なっていない点を、Natureは厳しく指摘しているわけで、私も全く同じ意見です。

一人一人の消費者のパニックを避けなければならない、正確な情報開示と、私が正し
いと信ずる現時点での判断とを、極力正確な形で皆さんにお伝えするのが、我々研究
者の義務と考えまして、基本的には取材はすべてお受けしておりますが、いずれにし
ましても、今後、より確実に確認するように心がけます。ご指摘いただきまして、大
変ありがとうございました。

また、繰り返しますが、私の発言が絶対的なものだというつもりは全くございませ
ん。その意味で、あくまでも私見とさせていただきます。

金子清俊 拝


いわゆる安全宣言と今の日本の牛製品の安全性について

さる10月18日、いわゆる安全宣言が出されました。その言葉が適当かどうかはさてお
き、今の日本の牛製品に対する私の考えを述べさせていただきます。現在の検査は、
処理される牛すべてを対象とするいわゆる全頭検査です。それに用いる検査法は
ELISA法です(検査に携わる方々が慣れるまでは若干の混乱があるでしょうが)。

狂牛病に対する対応を考える場合、科学的な証拠に基づいて方針を決定していくこと
が重要ですが、科学的に100%を追い求めていった場合には、実生活に即した形で
の対応はまず不可能です。例えば、食肉の汚染の問題なども突き詰めていったらきり
がありません。終いには牛肉を食べないと言う結論しかあり得なくなってしまいま
す。では、どうしたらよいのか?私の答えは、「まず先達の経験に学ぶ」、というも
のです。狂牛病は日本では初めての経験ですが、英国、ヨーロッパでは過去16年間に
及ぶ失敗の教訓を含めた戦いの歴史があります。まず欧州の対応に即した形でのきま
りを作り、そこからスタートすることが現在取り得る最善の方法と考えます。その点
から見て、今回の行政の対応はその資格を満たしています。全頭検査と言う点では欧
州以上です。

背割りの問題につきましても、以前私は1995年以降英国では背割りが禁止されたと記
載いたしました。しかし、本当にそうかどうか、いろいろな方に伺っても定かであり
ません。この点につきまして、深くお詫び申し上げます。少なくとも現時点では、英
国を含めた欧州で背割りは行われています。つまり背割りと言う観点からも、現時点
で一応欧州並みとは言えます(しかし、近々、スペインとフランスで背割りによらな
い方法が試験的に開始されるそうです。このことは、欧州も背割りについての懸念を
持っている可能性を示唆します)。

しかし、以上のように欧州並以上の体制が確保されたといっても、これによって最低
限の安全は確保されたと認識した方がよいと考えます。今の対策で本当に十分かどう
か、あるいは逆に過剰ではないか、これから継続的にモニターをしていく必要があり
ます(場合によっては、昨日まで正しいと言われていたことがくつがえる可能性すら
あり得ます)。これらはあくまでも一里塚であって、これからもおそらく年余にわ
たって狂牛病問題と付き合っていく必要がある、という認識が必要です。「安全宣言
でもうすべて解決」ではなく、これからが始まりであるとの認識が必要と考えます。

また、今の対策が適切かどうかのモニターは、行政と独立した中立の立場(第三者機
関)による客観的な評価が理想と考えます。行政が施した対策に対して自ら評価する
のではなく、中立の立場のものが安全かどうかを判断するのが理想的です。消費者の
信頼回復のためにはこの点が一番重要だと思います。行政側が行った対策を行政側が
自ら評価して、「安全です」と宣伝するよりも、誰もが納得する中立機関の安全評価
の方がはるかに信頼されやすいと考えます。

最後にもう一つ重要な点がございます。今回の検査体制によって、これから処理され
る牛製品に関しては上記の見解が適応されますが、それは既に市場に出回っているも
のの安全性を保証しません。既に市場に出回っている牛由来の製品の安全性は不明で
す。種の壁、経口摂取による減弱効果等により、感染の危険は極めて低いとしても、
どなたかが感染する可能性がある場合は、これは決して見逃せない問題です。

患者さんなどいるはずがないと考えていて、万が一患者さんが発生した場合の混乱は
今の狂牛病騒動の比ではありません。異型CJD発生の可能性を念頭に置いて、今から
準備を進めるべきです。それが私どもの仕事と考えています。

金子清俊 拝

(このコメントは2001年10月22日頂戴しました。toya)



金子清俊氏から、ダチョウの感染についてのコメントをいただきましたので、
いわゆる安全宣言と今の日本の牛製品の安全性について

さる10月18日、いわゆる安全宣言が出されました。その言葉が適当かどうかはさてお
き、今の日本の牛製品に対する私の考えを述べさせていただきます。現在の検査は、
処理される牛すべてを対象とするいわゆる全頭検査です。それに用いる検査法は
ELISA法です(検査に携わる方々が慣れるまでは若干の混乱があるでしょうが)。

狂牛病に対する対応を考える場合、科学的な証拠に基づいて方針を決定していくこと
が重要ですが、科学的に100%を追い求めていった場合には、実生活に即した形で
の対応はまず不可能です。例えば、食肉の汚染の問題なども突き詰めていったらきり
がありません。終いには牛肉を食べないと言う結論しかあり得なくなってしまいま
す。では、どうしたらよいのか?私の答えは、「まず先達の経験に学ぶ」、というも
のです。狂牛病は日本では初めての経験ですが、英国、ヨーロッパでは過去16年間に
及ぶ失敗の教訓を含めた戦いの歴史があります。まず欧州の対応に即した形でのきま
りを作り、そこからスタートすることが現在取り得る最善の方法と考えます。その点
から見て、今回の行政の対応はその資格を満たしています。全頭検査と言う点では欧
州以上です。

背割りの問題につきましても、以前私は1995年以降英国では背割りが禁止されたと記
載いたしました。しかし、本当にそうかどうか、いろいろな方に伺っても定かであり
ません。この点につきまして、深くお詫び申し上げます。少なくとも現時点では、英
国を含めた欧州で背割りは行われています。つまり背割りと言う観点からも、現時点
で一応欧州並みとは言えます(しかし、近々、スペインとフランスで背割りによらな
い方法が試験的に開始されるそうです。このことは、欧州も背割りについての懸念を
持っている可能性を示唆します)。

しかし、以上のように欧州並以上の体制が確保されたといっても、これによって最低
限の安全は確保されたと認識した方がよいと考えます。今の対策で本当に十分かどう
か、あるいは逆に過剰ではないか、これから継続的にモニターをしていく必要があり
ます(場合によっては、昨日まで正しいと言われていたことがくつがえる可能性すら
あり得ます)。これらはあくまでも一里塚であって、これからもおそらく年余にわ
たって狂牛病問題と付き合っていく必要がある、という認識が必要です。「安全宣言
でもうすべて解決」ではなく、これからが始まりであるとの認識が必要と考えます。

また、今の対策が適切かどうかのモニターは、行政と独立した中立の立場(第三者機
関)による客観的な評価が理想と考えます。行政が施した対策に対して自ら評価する
のではなく、中立の立場のものが安全かどうかを判断するのが理想的です。消費者の
信頼回復のためにはこの点が一番重要だと思います。行政側が行った対策を行政側が
自ら評価して、「安全です」と宣伝するよりも、誰もが納得する中立機関の安全評価
の方がはるかに信頼されやすいと考えます。

最後にもう一つ重要な点がございます。今回の検査体制によって、これから処理され
る牛製品に関しては上記の見解が適応されますが、それは既に市場に出回っているも
のの安全性を保証しません。既に市場に出回っている牛由来の製品の安全性は不明で
す。種の壁、経口摂取による減弱効果等により、感染の危険は極めて低いとしても、
どなたかが感染する可能性がある場合は、これは決して見逃せない問題です。

患者さんなどいるはずがないと考えていて、万が一患者さんが発生した場合の混乱は
今の狂牛病騒動の比ではありません。異型CJD発生の可能性を念頭に置いて、今から
準備を進めるべきです。それが私どもの仕事と考えています。

金子清俊 拝

(このコメントは2001年10月22日頂戴しました。toya)





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ダチョウの感染例に関してですが、私自身はダチョウのプリオン蛋白の配列を知りま
せんので、確実なことは言えません。ただし、鶏の配列を見る限りにおいては、とて
も容易に種の壁を超えるとは思えません。実際に、哺乳類同士でも、実験動物レベル
ではかなりプリオン蛋白の配列に依存します。

ただし、感染の可能性がゼロであるとは断言できませんし、実際に感染した例がある
のであれば、それは大変な問題だと思います。

金子清俊 拝

(このコメントは2001年10月30日に頂戴しました。toya)