笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年5月23日 松くい虫駆除問題と、社会のいろいろな面でのデバイド化



デジタル・デバイドとは、世代間・所得間・男女間などの情報格差の問題ですが、情報以外の各面においても、デバイド化が進んでいるように感じます。

そのことが、社会各面でミスマッチをおこしている、とも、いえます。

環境的な観点からいえば、生産優位志向時代に育った世代にとって見れば、航空防除なんていうのは、お国のためだと思っているに違いないし、狂牛病も、あんまり騒げば、生産者を苦しめる、とも、思われている方も多いに違いありません。

そのあたりのせめぎあいが、この過渡期において、当分続くことになるのかもしれません。

しかし、インターネットによって、既成の社会階層による発言力よりも、若い世代や女性の声が、以前よりもはるかに届きやすい社会になっていることは確実です。

松くい虫の駆除問題についても、農村地域の混住化によって、住民の相当の意識変化がおきていることは、間違いありません。

それが、沸騰して出てこないだけで、一つの沸騰石が投げ込まれれば、突如として沸騰して来うる問題です。

ここに、宮脇方式の森林再生システム についてのURL: http://www.mitsubishi.co.jp/environment/forest/2_j.html
がありますが、宮脇さんは、空中散布を是認されているような記述はありません。

私は、宮脇さんのお話をはじめて伺ってから、もう30年以上たちますが、「自然には、人間の目の部分のように弱い部分がある。その自然の一倍弱い点を、つつくような開発行為をしてはいけない。」というような意味のお話をされたのが、今でも耳に焼き付いています。

ところで、松くい虫が、何で、中国や日本に多くて、アメリカには少ないのか?

URLhttp://www.aphis.usda.gov/oa/chinaswp/pwnqas.html によれば、松材線虫(Bursaphelenchus xylophilus)や、線虫を媒介するマツノマダラカミキリの、天敵(Natural Enemy)が、日本や中国には、少ないが、アメリカにはいる。その違いによるものだそうです。
「じゃあ、アメリカの天敵を日本にもってくればいいんでは?」なんて研究も進んでくるでしょうね。

もっとも、日本の黒松は、松くい虫の少ないアメリカでも、やられているようですよ

実際、日本でも、カミキリ幼虫を捕食するオオコクヌスト(Temnochila japonica)、サビマダラオオホソカタムシ(Dastarcus longulus)、寄生性のクロアリガタバチ(Scleroderma nipponicus)などの大量増殖で、天敵を育てる試みも始まっているようです。

そういえば、沖縄のウリミバイは、フェロモンで退治しましたっけ。


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