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笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年5月16日 亡命問題と外務省バッシングとが混同している。


テレビの亡命するあの親子の映像は、十分涙を誘うものだが、その対応と、外務省バッシングとが混同していると見るのは私だけであろうか。

島国であるがゆえに、亡命についての確たる対応が、これまでなかったということに焦点をあてれば、この事件を奇貨として、その辺の基本的な考え方を、この際、確立しておくことが必要だ。

もっとも、その問題を詰めていくと、二重国籍をもつ、フジモリ前大統領は、亡命にあたるのか否かというも厄介な問題も抱え込むことになるのだが。

国籍法のあり方についても、この際、考えておくべき課題だ。

ここに興味深い論説がある。
http://www.internetclub.ne.jp/TODAY/REPORT/2002/031200.htmlが、そうだが、これからのスキルの高い人材の確保を容易にするために、二重国籍もふくめ、国籍取得のバリアーを低めるという戦略を、各国が取り始めているという論説だ。

日本の文化の良き理解者、
ブルーノタウトは、亡命者として日本の文化に触れ、それを世界に知らしめた。

その点からすれば、二重国籍もなく、国籍も取りずらい日本は、亡命者にとっては、メリットの少ない国ではある。

第三国を目的としての駆け込みがほとんどというのが本音では、中国大使の発言も理解できる。

そんなことも含めた、総合的な議論の見直しが、
アメラジアン国籍問題もふくめ、この際必要だ。


追記-5月17日記
左記の写真をクリックしてみてください。

そんなことで、昨日、上記のようなことを書いたのだが、今日5月17日の毎日新聞2面のコラムに、外信部の中井良則さんという方が、私と同じようなことを書かれていたので、びっくりした。

「亡命したい国に」というコラム(下記参照)なのだが、そこで中井さんは、次のように締めくくっている。

「国益を超えて外国の弱い人々と手をつなぐ発想と伝統は、私たちにはある。精神の鎖国から解き放たれ、亡命に冷たい日本のイメージを変える契機にしたい。」

私も、本当に、そのとおりだと思う。

それにしても、テレビのワイドショーとは、別の角度から物をいわねばならない政治家や有識者たちが、ワイドショーの視点をなぞりながら、イエロージャーナリズム的視点を拡大している中で、矛を収めるべきタイミングを、外務省が失してしまっている今の事態は、成熟した国家の姿とは程遠いものだ。

石橋湛山さんの「アジアの燃え草は、拾わず」との観点から言えば、先の小泉総理の唐突な靖国参拝も、日本核武装あるべしの小沢発言も、このような事態になれば、格好の燃え草と、結果としてなっていることを、政治家は忘れてはならない。

伊東正義先生は、よく「戦戦兢兢」(大事が起こらないようにと、自らをいましめ
つつしむ)という言葉を愛されたが、まさに、アジア問題に関しては、日本の政治家は、戦戦兢兢たるべし、である






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