笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年3月15日 官庁的修景感覚が日本の原風景を滅ぼしてはいないか?

日本全国でも有名な、水辺空間のモデル例をみる機会があった。

箱庭的美しさは確かにあるが、これがかつての日本の原風景だったのかとおもうと、いくつかの点で、ちょっと違和感を覚える。

第一は、擬木の多使用である。経年変化のない擬木は、時とともに変わる景観要素を固定させてしまう。

第二は、法面への吹きつけによるワイルドフラワーの植栽である。法面は、生態学的に貴重なビオトープたりうるが、とくに外来種のワイルドフラワーでは、著しく、そのエコロジー・スポットとしての生態学的価値を損なう。

第三は、構築物への独善的な風土工学的設計の多用である。風土工学適用にあたっては、その背景としてのストーリーが重要となるが、どうも、そのストーリーがこじつけに近いものだと、わざとらしさばっかり感じてしまうことになる。

あの帽子が並んだような長良川河口堰の意味がわかる人が何人いるであろうか。

第四は、真正性(オーセンティシティ)への配慮の欠如である。

一目でわかる金属製の水車などは、その真正性確保への努力を疑うものとなってしまう。

これから、自然再生型公共事業が本格化し、法案も用意されるようであるが、もっと多面的で、深い配慮がなされないと、日本の原風景を破壊するラブホテル的な修景のみが跋扈することになるのではないかと、懸念するものである。


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