笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年6月3日 非核三原則に関する不規則発言は、アジア緊張の今、許さざるべきこと。


今回の政府首脳の非核三原則に関する不規則発言について、私は、まさに、インド・パキスタン間の緊張で、核戦争の危機が叫ばれている中で、本来、日本が世界唯一の被爆国として、全世界に、訴えなければならないときに、まことに、とんでもないことをいってくれたとの気持ちでいっぱいである。

小泉総理は、このURLのように、「あれは、どうってことはない。」と、努めて、問題視しないそぶり を見せたというが、すでに外電は、このURLのように、逐一、その発言の詳細を、世界につたえはじめている。

これらの外電のなかには、

4月6日の小沢一郎氏の福岡発言「日本がその気になったら、一朝にして何千発の核弾頭が保 有できる。」 (このURL参照)

5月13日の安倍晋三官房副長官の早稲田大学講演「大陸間弾道弾や小型原子爆弾の保有は、憲法上可能」(このURL参照)

5月31日の福田官房長官の「将来国民意識が変化してくれば、非 核三原則が変わる可能性あり」(このURL参照)

等の、一連の問題発言の経緯を紹介し、これらの発言が、日本の政党に、与野党にかかわらず常在する、たまさかのものでない、確信的なものに裏付けられてのものであることに、言及しているものもある。(このURL参照)

一方、広島・長崎の被爆県では、インド・パキスタンに核禁止のうったえをしようという矢先に、政府高官によるこのような発言が相次いだことに、このURLのように、強い怒りを示し(このURLこのURLも参照) 、

また、復帰30周年を迎えたばかりの沖縄では、このURLのように、アジアに向かっての新たな核の橋頭堡になりかねないことに、強い危惧の念を抱いている。

さらに、ワールドカップさなかのアジア諸国は、このURLのように、本来、これを機会に、アジアの一体感を醸成すべきときに、との反発の声を上げている。

このような日本の政治家による無神経な論調が続いているなかで、パキスタンのムシャラク大統領は、6月1日、CNNの インタビューで、「正気の人間なら、核戦争をはじめることなど考えないはず。」と、このURLのように、語ったという。

シンガポール訪問中の中谷防衛庁長官は、このURLのように、「核保有は、何の利益も、もたらさない。」と、非核三原則の見直しを強く否定したそうだが、もはや後の祭りである。

これらの近隣諸国の過敏な反応を形作ったのは、いろいろな日本の政治家によってつくられてきた、これまでの素地があったからである。

それは、小泉総理の靖国参拝であり、小沢一郎氏の福岡発言であり、冷戦後あるいは自社さ政権以降、左翼的言動が政界で後退した後で、それを埋める形で勢いを増した、この種の発言の跋扈である。

いわば、これらのかたがたの確信的信条にもとずく一途な言動が、アジアの燃え草に徐々に火をつけていったといえる。

その最大の貢献者は、ご丁寧にも、総理就任後二度にわたり靖国参拝された小泉総理ご自身である。

石橋湛山先生は、小国主義を唱え、「アジアの燃え草を拾うなかれ」と、このURLのように、常々言われた。

日本の経済力がまさに退化しようとし、これからは、経済力をかさに着ず、敗戦後の謙虚な日本に戻り、緊張いよいよ激化するアジアの平和を、今うったえなければならないときに、これら政治家の一連の無神経な言動は、国民から、この際、強くいさめられてしかるべきである。

参考-日本の政治家のこれまでの核保有発言についての海外の論調リンク集

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