笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年1月23日 誤れるワークシェアリング論が横行している。

不況に乗じた「いいとこどりのワークシェアリング論」とでもいうのだろうか。

私の田園環境図書館(http://www.sasayama.or.jp/library/tosyo-36.htm 参照)でも取り上げている「オランダモデル」の著者の長坂寿久さんが内橋克人さんと、今月号の月刊「世界」での対談の中でのべられているように、本来のオランダモデルでは、パートタイム労働とフルタイム労働とは、均等処遇の原則のもとに、この両者を組み合わせて、夫婦で1.5倍の賃金をうみだそうとするのが、そもそものオランダモデルの原型である。

ところが、いま、日本でもてはやされている、タイムシェアリング論においては、この均等待遇の原則(均衡を考える指標(モノサシ)づくりのための研究会が設置されたが、その結論は出ていない。)の観点がすっぽり抜け落ちて、ただ、パートを増やせばいいんだろうというような短絡的な議論が横行していることに、私は危惧を抱いている。

秋田県庁では、職員の残業時間を10%削減。それに相当する財源を非常勤嘱託職員の雇用費用に充てるとの計画だが、これはこれで、就職できない子供さんを抱える当面の親御さんの心配を取り除くには、好評のようだが、では、先行き、これらの非常勤嘱託員の将来の生活設計にまで、県庁が責任を持たなければ、当座は良いが、結果として、蛇の生殺しの擬似的失業者を増やすことになってしまう。

ここで認識していただきたいのは、本来目指すべきは、既存の組織対個の雇用契約関係のワークシェアリングなのではなく、既存の組織対NPO組織との契約関係のなかでの、ワークシェアリングの実現が大切なのである。

労働の原単位としての待遇を、フルタイムとパートタイムとをできるだけ均等のものとしつつ、時間的なシェアリングとともに、仕事の中身のシェアリングを果たすことが、望ましいオランダ・モデルのワークシェアリングとなるのだ。

NPOへのアウトソーシングを計りながら、ワークシェアリングを果たしていくことが、この際必要なのだと思う。 




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