笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年1月7日 環境的視点から「法定外税」をみると

このたび石原東京都知事が打ち出したホテル税構想から思い起こされるのが、中米などの、エコツーリズムを発展起爆剤にしようとする国の課税だ。

これらの国では、エコツーリズムが拡大するにつれ、その国の生態系にかかる負荷が増大することに対し、Bed-Tax(宿泊税)や空港税が検討されている。

今回の石原東京都知事提唱のホテル税も、狙いは、それの大都市版と見て取れないことはない。

いわば、大都市のインフラにかかる環境負荷を軽減するための、防衛策である。

確かに、東京都のインフラの多くの部分が、他県人口によってただ乗りされている面が多いのだろう。

http://www.billtotten.com/japanese/ow1/00498.htmlでみると、この構想に賛意を示している知事さんのうち、大阪、愛知、福岡の大都市圏の知事さんはともかくも、富山、山梨、静岡、愛媛など、過疎県で賛意を示している知事さんは、かなりの広い視野で物事を見ておられる方と見受けられた。

ホテル税の変型が、その県の特性にあった新税創設の可能性に繋がるのだから、これらの過疎県の知事さんたちは、それを視野に入れての賛成なのだろう。

こうなると、過疎県は過疎県で、かつての水源税構想の復活に繋がる新税構想もうまれてくるだろう。

地方の反乱は、このような具体的な形で起きると、強い。

この動きに対し、このたび「課税自主権活用研究会」(座長・金子宏東大名誉教授)は、これら都道府県独自の「法定外税」について、一定の要件を満たさないものについては、不同意のルールづくりをすべきという考えをしめした。(http://www.asahi.com/politics/update/0107/007.html参照)
 アメリカの州税にかわるべきものとして、「法定外税」をみたばあい、課税対象者が一定の範囲なり固まりを持ったものでないと、地方間のタックスヘイブンを目的としての産業体の移動などを生じかねないし、また、それが、新たな報復的法定外税をうむ危険性もある。

水源税的なものが川上に比重を置く県から課せられれば、  その尾根越しの県も、同様の追従を迫られる。

だとすれば、道州制の規模での各県合意の有る「法定外税」については、これ

を認めるとしても、税のインセンティブもディスインセンティブも考えない、

税収目当てのみで法
定外税が乱立した場合は、たとえば、環境保全的に

も、生態的にも、一体と見なされる複数県で、ばらつきの有る法定外

税が課せられた場合などを想定してみると、決して好ましいことでは

ないからだ。

今回の東京都のホテル税が是認されるのは、東京圏という規模的にまとまりのある圏域での「法定外税」であるからだ。


HOMEへ目次へ

HOME -オピニオン -政策提言 -発言-profile & open -著書 -政策行動-図書館-掲示板-コラム-リンク-政策まんが