笹山登生の発言・寸感アラカルト


2002年4月19日 IMF「世界経済見通し」で、日本経済について、きびしい見解

18日、IMFが発表した「世界経済見通し」 のなかで、日本経済については、 「いくつかの重要な挑戦がのこっている」(19-21ページ)http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2002/01/pdf/chapter1.pdfと題する章を設けている。

そのなかで、
「日本経済は、いま、もっともシビアな三番目の景気後退期にはいっている。これは、 内的要因と外的要因との双方の要因によるものである。

とくに、 消費者の自信喪失、世界的景気低迷の影響、過去の構造改革の遅れなどによるところがおおきい。

日本政府は今年の2月に、デフレと戦うことを表明し、そのための政策パッケージを用意した。これには、カラ売り規制なども含んでいる。

しかし、金融システムの再構築については、より一層の、かつ広範囲にわたる不良債権処理をはかる必要があり、これによって、問題債権の処理と規制緩和とあわせ、本来の民間金融機能発揮を図らねばならない。 

そのために、日本には、さらなる、ふたつの挑戦課題が残されている。

第一は、デフレ対策について、いかに金融政策が効果的に発動されるかである。もし、これによってデフレが終焉しないのなら、さらなる金融緩和が必要である。

第二は、いかに、政府債務の累増が、財政政策の効果発揮を妨げないようにするかについてである。

日本の景気低迷と、金融緩和は、一層の円安をまねき、それは、周辺アジア各国への為替レートに悪影響を及ぼすだろう。

しかし、同時に、円安は、日本の構造改革推進の副産物であるのだから、中期的には、アジア各国へ、便益をもたらすと、プラスに考えるべきである。」

この説明にあたり、IMFのGraham Haccheさんとの間に、日本経済について、つぎのような質疑応答があった。

「質問者−どうして、日本経済の回復は、このようにおそいのですか?あなたは、日本が世界経済を引っ張るエンジンになりうると、まだ、お考えですか?」

「Graham Haccheさん−長期的には、日本の生産力などから意って、まだ世界を引っ張るエンジンになりうるとはおもいます。

同時に大事なのは、日本が、デフレを終焉させることです。

なぜなら、第二次世界大戦後、OECD各国中、唯一のデフレ経験国が日本であるからです。

デフレを止める特効薬などありません。

非負制約のもとで、金融政策をおこなっていくことは容易なことではありません。

量的緩和政策をつづけている内に、急にインフレが持ち上がらないとも限りません。

これは、危険なことです。

にもかかわらず、 構造改革のためには、このリスクさえも負わなければなりません。」


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