笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年10月29日

すぐに細かい問題に入ってしまう日本の政治の欠陥

狂牛病問題が発生してから、いろいろな対策が実現したが、それはそれでよいとして、やや、技術的な細かい問題に入りすぎているようにも思えてならない。

いかにも、日本的な対策とでもいおうか。

やれ背割りがどうとか、肉骨粉のラインが鶏豚用と共用だったとか、それはそれで大事な問題だが、大局の見地からは、末梢の問題に過ぎなく、それらは、その部署部署で詰め、解決していけばすむ問題である。

これは、日本のマスコミの問題のとらえ方の矮小さに、政治家が影響されているせいとも見られる。

問題は、日本の畜産の今後10年をどうするのか、飼料自給率をどうするのか、消費者に目を向けた農政にしていくにはどうしたらよいのか、その大局の問題は、政治家によっても、マスコミによっても、いまだ語られず終いである。

この狂牛病問題は、単なる事件なのではないということ、その点では、O-157問題とは、根本的に違う問題である。

そのことにいち早くきずき、今後5-10年にわたる中期の課題に取り組むことが何よりも大切である。

このままでは、日本全国の畜産農家に、ただでさえも困難となっている経営の代替わりを、この問題を契機に、すべて放棄させることになる。

それにしても、この問題についての政治家の対応の遅さだ。

もちろん、その間、テロ法案の問題があったにせよ、今ごろになって、肉骨粉の輸入問題など、狂牛病問題の序論に入っているような方も散見される。

政治がやるべき課題は、常に未来にあることからすれば、過去の責任問題はともかくも、今やるべきは、ヤコブ病による人への連鎖を想定しての万全の対策を講じることと、安全な国民の食生活を保障しうる農政の転換だろう。

特に、ドイツが行ったような、この狂牛病問題をきっかけにした、環境重視・消費者重視の農政への転換は、喫緊の課題だとおもう。

禍転じて福となす気構えが、今後問われるものと思われる。


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