笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年10月18日 食の安全のために、国は、もっとFail-Safeの考え方を持つべき

 ELISA法による狂牛病のスクリーニングの判定が擬陽性になった場合、厚生労働省が押し切られた格好で、「中間段階での擬陽性は公表せず」との国の方針がかたまったようだが、もうすでに、神奈川県など、擬陽性でも公表しようとする独自の方針を決める県も続出する気配だ。

おそらく、どんどん、これにならう動きは出てくると思う。

消費県が、このような動きになれば、生産県としても、うかうかしていられない。

何しろ、中間検査公表をしない県の牛はヤバイとの印象を消費者にもたれては、元も子もないのだから。

一方で、岐阜の知事さんは、その結果を公表しないという。

これは、消費者と情報を共有しようとする気のない知事さんだ。

「しらしむべからず。よらしむべし。」のこのような態度が、消費者 の反乱をよびおこすのだ。

これでは、岐阜の畜産農家にとっては、長期的には、かえってありがた迷惑の応援団なのではないかな。

こんな調子で、各県の知事さんの考え方を一つ一つ問うことも、この際大切だ。

狂牛病がかいわれやほうれん草とは違うのは、連鎖の潜伏期間が長いため、被害者は、その因果関係を立証できない。

だから、国や地方の行政担当者は、国民の食の安全性確保のため、Fail-Safe(あらかじめアクシデントが起こることを想定し、被害を最小限にとどめるよう工夫しておくという安全思想)の慎重さをいっそう持たねばならない。

いまの時代では、生産者第一主義の行政志向が、長期的には、もっとも生産者のためになっていないということを、政治も行政も、まだ理解していない。

その警告を身をもって彼らに発しうるのは、無告の消費者たちかもしれない。


HOMEへ目次へ

HOME -オピニオン -政策提言 -発言- profile & open - 著書 - 政策行動-図書館-掲示板 -コラム- リンク- 政策まんが