笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年10月11日 学校給食に牛肉使用することには、ふぐ調理並みの慎重さが求められている

厚生労働省が発表した危険部位を含む22品目の回収状況の一覧表 http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1102-1a.htmlを見ると、そのあまりの多さと具体的商品名のリアルさに、びっくりする。


問題は、危険部位以外の清浄肉が汚染されることについての懸念だが、今のところ日本では、背割りのみに関心がいってしまっているのが気がかりだ。

解体処理過程におけるBSE汚染の危険性については、英国では、背割りを含め三つの段階で危険性があるとされており、その危険管理コントロール(SBOコントロール)についても、マニュアル化されている。

それら狂牛病先進国の対応を見ると、清浄な肉が、処理後汚染される確率は、かなり高いことを覚悟すべきだろう。


ふぐ調理並みの慎重さが求められているといえる。

この話を掲示板で紹介したら、学校給食問題について関心をもたれているKさんから、次のようなメールが来た。

郷土色を活かした学校給食モデル献立に、下関のふぐ雑炊が入っているとの私の情報 http://www.ntgk.go.jp/kyuusyoku/siryou/yurai.htmlに対し
 

「給食にふぐというのを見て、びっくりしました。私のところでも給食にマツタケの献立というのが有り、高価なマツタケを大量の給食にどうやって使うのか、疑問に思いました。

老人ホームに持っていった方が喜ばれるのに。

学校給食の食材は、このような高価なものでなくても、普通の食材で作った方が安全なのでは。
牛肉にしても、そうです。」

というような趣旨のご意見だった。

このたび、文部科学省は、学校給食への牛肉の使用について、次のような通達をだした。

この通達http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/index.htm を見れば、まさに、このような通達を出すための過日の安全宣言だったのかとおもわざるを得ない。

牛由来の加工品についての解禁はまだだが、精肉については、安全宣言が出たから、元に戻してくださいという懇願調のこの通達には、業者の思惑はかいまみえても、 そこには、子供の食の安全についてのFail-Safeの考え方は微塵もない。
 

三菱化学生命科学研究所・神里達博さんのことばによれば

「これからは、白か黒ではなく『グレー』なリスクの中で我々は生きてゆく時代になった。」 という。

グレーなリスクの危機管理とは、安全かどうかわからない段階での、リスク管理である。

ということは、グレーな安全宣言とグレーな危機宣言とが同居し、同時進行する時代ともいえる。

では、国民は、この二つの宣言のどちらを優先するか。

もちろん、グレーな危機宣言の方であろう。


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