笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年4月20日 有明海異変その後の発言

(掲示板から)





淡水化をどうするかを、国は長崎県と腹をわって話し合うべき
(2001/04/20)
有明海のノリ不作の原因を究明する農水省の第三者委員会が、諫早湾干拓事業の潮受け堤防の排水門開放を来春以降に持ち越したことについて、金子知事は十八日、「排水門開放は干拓事業そのものの見直しにつながる。営農計画(の変更)を含め十分な説明がないと(開放の是非について)検討できない」と、あらためて開放に反対する立場を強調した。

もっともな話である。

前から言っているように、ポイントは、淡水化を続けるのか、断念するのか、ここである。

そこがあいまいのままで、ノリ漁業者救済のためのセーフティ・ネットをちらつかせながら、開門決定時期をずらしているのでは、時間稼ぎといわれてもしかたがないだろう。

淡水化を断念するかわりに、塩害の心配がなく、節水型の、施設農業を中心とする超先進型農業を、これまで出来た干陸地に実現させるべく農林水産省が支援努力するというのであれば、長崎県としても反対はしないはずだ。

あとは、理屈付けでなく、本当の意味で、防災対策に専念すればよいことなのだから。
失礼な話ではあるが、長崎県にもセーフテイ・ネットを用意すればよいのである。




とんだドタバタ第三者委員会の模様でした。 (2001/04/19)


URL: http://www.jfa.maff.go.jp/ariakenori/04gijiroku(zan).html
第4回農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会議事録(暫定版)が公表されましたので上記URLをご参照願います。

それにしても、予想を上回るドタバタぶりですね。

前にも、オランダのクラーゼッツ委員会の例をあげたごとく、このような委員会の委員長は学者先生ではつとまりません。

Y委員が以下にいっているように、水質委員会はこれまで何をしていたのでしょうね。

前にも言ったように、水質委員会の委員は、この第三者委員会の委員になる資格はありません。


Y委員の発言


「OO先生は、いわゆる農政局か長崎県がつくっているところの諫早湾のあの調整池の水質委員会の委員長さんですね。
その委員長さんの口から私が聞きたかったのは、この調査委員会の中でも明らかになったように、諸悪の根源はあそこの貯留水であると言われてきたわけですよ。
それについての釈明というのが全然なされていない。
もちろん聞かなくてもいいんですけどね。
聞かなくてもいいんですけれども、私が一番不思議に思ったのは、あそこからあんな水を流すことについて何もお感じにならなかったのかということです。
 というのは、もっとあそこの中で打つべき手があったんじゃないかと。
どういう手が打たれてきたかと。
我々は我々として長崎県にお願いをし、農政局にお願いをして、周辺のあの終末処理場、あそこを早急に整備してくださいとか、あるいはあそこから排水については、5日に1回ぐらい出すんじゃなくて、毎日でもいいからちびちび出して、比較的影響が少ないようにしてくださいというお願いをしてまいりました。
しかし、あそこの中の委員会そのものが、そういうことについてどのような対策、対応をとられているのか、全然お話しになりませんので、ちょっと気になったところでございます。」




荒れた第三者委員会
(2001/04/18)


URL: http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010417/dom/22150000_maidomm139.html
上記URLのように、諫早湾水門開門をめぐって、実質、「淡水化是か非か」の攻防戦となった模様。

管理水位マイナス1メートルを保った開門では、管理された潮流のもとでのデータ収集となってしまう。これで、果たして適正なデータがえられるものなのだろうか。




案の定、開門期間で意見対立 (2001/04/17)


URL: http://www.asahi.com/national/update/0417/027.html

短期開門を主張する農林水産省と、それに異論を唱える委員との意見一致せず、結論先おくりに。(上記URL参照)

抜本的問題解決のための調査に本気かどうかが、この一点でとわれる。




諫早湾水門開門は来春以降 (2001/04/17)


URL: http://www.yomiuri.co.jp/00/20010417i204.htm

上記URL参照。
第三者委員会が、本日だす結論。
開門期間は、2-3ヶ月。

経営支援策と、だきあわせだが、果たして、これでノリ漁業者が納得するか、微妙。

「本年のノリ生産は、最悪の場合は、セーフティ・ネットでしのぎ、影響なかったらダメもと。」との意向が透けてみえる。

果たして、抜本的解決を覚悟しているのか、どうもよく分からない。




思慮無き諌早湾水門の開門は、有明海の生態系ををほろぼす (2001/04/08)


URL: http://www.kumanichi.co.jp/nori/kiji/20010407.2.html


上記URLにみるように、水門の開門には、そのタイミングや方法に、相当の配慮と技術が必要である。

私が前からこのホームページで主張しているように、湾内の水質の状況は、まさにパンドラの箱、単に開門すればよいものではない事態となっているのである。

農林水産大臣も、この一点だけは認識してほしいものだ。

台風の後などの淡水量が増加したときか、または、何年もかけての徐じょなる開門しか、打つ手はなさそうだ。

オランダのバルコン・プロジェクトにまなぶべし。



第三者委員会が提示した「有明海異変にいたる原因仮説」は? (2001/03/29)


次のとおり
http://www.jfa.maff.go.jp/ariakenori/teigen/teigen.html
ですが、やや、仮説の立て方が矮小化されていますね。

ノリ異変に限ってなら、珪藻赤潮の原因究明でいいのでしょうが、「有害藻類大増殖」の観点からの有明海生態系異変を取り上げなければ、根本的な有明海の生態系の正常化に資することにはならないのではないでしょうか。

もっとも、この第三者委員会は、ノリ不作の原因究明にのみ限った委員会なのですから、それ以外の仮説への言及については、避けざるを得ない限界を持った委員会なのでしょう。

より高度な次元での委員会設置が必要なときなのではないでしょうか。

そうでないと、ラフィド藻類などによる、もっと有害な赤潮対策には、この対策は、無力なのではないのでしょうか。

もっと、フロリダのHAB対策にまなぶべし。





日本海洋学会の提言に賛成 (2001/03/24)


日本海洋学会環境問題委員会は、3月23日、有明海の生態系異変については、総合的な調査体制が必要との提言を近々発表するという。

これは、私がかねてから主張してきたもので、この提言の趣旨に大賛成である。

何度もこの掲示板で言っているように、この問題は、世界的に問題となっているHAB(Harmful Algal Bloom)(有害藻類大増殖)の問題であり、ノリ問題に限定・矮小化する以上に、大きな問題であるからである。

環境省の賢明な主導力の発揮と判断を求めたい。





そんな短期間の調査で、何がわかるのか? (2001/03/16)


諌早湾干拓調整池緊急調査は、二十六日まで十二日間の予定でおこなわれるという。

しかし、そんな短期間の調査で、何がわかるのだろうか。

もともと、この問題は、前からこの掲示板でもいっているように、世界的に問題となっている有害藻類大発生(Harmful Algal Blooms)の問題であるのだから、より長期で総合的な生態学的仮説にもとずく調査が必要なのである。

ましてや、この調査でもって、有明海異変の原因がわかろうはずはないのである。





有明海第三者委員会と諫早水質委員会の委員は、ダブるべきではないとおもいます。 (2001/03/10)


現在ダブっている委員は、第三者委員会委員長の清水誠氏(東大名誉教授)、水質委員会委員長の戸原善男氏(九州大学名誉教授)、須藤隆一氏(東北大教授)の三氏です。

水質委員会は水質委員会で、きっちり結論をおだしになったら良いでしょう。

水質委員会の名前で、もし、必要とあれば、第三者委員会の調査要請に応えるべきでしょう。

少なくとも、第三者委員会の委員長は、水質委員会の委員がなることの愚は、さけなければ、第三者委員会の客観性は、著しく失われてしまうでしょぅ。





短絡的な犯人さがしでなく、総合的な環境調査が必要だと思います。(2001/03/09)


従来、歴史的に、沿岸の植物プラントンの増殖は、川によって流れ込む窒素によって規定されるというのが常識でしたが、この頃では、むしろ沿岸の植物プラントンの増殖を規定するのは、珪酸塩であるというのが、新たな常識となりつつあるようです。

また、湾に流れ込む川に含まれる窒素の量よりも、湾に底生するシアノバクテリアによって作られる窒素のほうが多いということも、通説になりつつあるようです。

有明海の場合も、これまでの通説にこだわらず、多角的な調査が必要だとおもいます。

もちろん、川の上流の水質が湾の環境に与える影響も無視できませんが、のり被害を契機にして、何か短絡的な犯人さがしが、行われてしまっては、根本的な有明海環境異変の解決にならないような気がしてならないのですが。

おそらく、いろいろな環境要因が関係あるのでしょうし、その意味では、早計に「この要因は漁業に与える影響はない」と断定することもできない状態にあるのだとおもいます。

結論は「疑わしきは、行わず」ということになるのでしょうね。





オランダのクラーゼッツ委員会と日本の第三者委員会の違い (2001/03/09)


このホームページでも紹介している、オランダ・ゼーランド州の東スヘルドの水門開門を決定したクラーゼッツ委員会が、政治的な判断をもまかされた総合的な判断のできる委員会であるのに対し、今回の有明海の第三者委員会は、単なる学者と漁業関係者のあつまりである。

しかも、その中には、これまで諫早湾内の水質委員会の主要メンバーもいる。

大体、この水質委員会が、これまで十分な情報公開と機能を果たしていなかったから、こんな事態となっているのではないかとも、いいたくなる。

これでは、有効な決定がくだせるはずはない。

クラーゼッツさんのような、もっと力のある方が委員長になって、そのもとに、いくつかの分科会があり、多面的な検討を果たせるものでなければ、時間稼ぎの第三者委員会といわれてもしかたがないであろう。





黄砂の植物プランクトン発生に与える影響は(2001/03/07)


昨日から今日にかけて、私の秋田の家の方では、中国からの黄砂がまいおりている。
雪や車のワイパーが黄色くなるほどのものである。

何でも韓国のほうでも、今年は黄砂が降る日が累計7日もあリ、目やのど・鼻をいためるひとがふえていると衛星放送はつたえている。まさに、羅両国は、気候の関係でも、一衣帯水の関係にあると、実感できる。

ところで、この黄砂や、サハラ砂漠の砂が、海の植物プランクトンの発生に影響を与えているとの説がある。(http://www.fc.u-tokai.ac.jp/lab/toratani/festa98/_a42.html 参照)

黄砂に含まれるリンが、植物プランクトン(特に藍藻)の発生を促しているというわけだ。

藍藻の発生は、共生関係にある珪藻の発生を促す。

有明海のプランクトン異常発生に、この黄砂が影響しているのだろうか。

「黄砂の飛来アニメーション 」 http://www.riam.kyushu-u.ac.jp/taikai/UNO/VIS9604.gif
で、日本列島への黄砂の飛来状況が、よくわかります。





川口環境大臣の有明海沿岸環境保全法案に賛成(2001/03/02)


URL:
川口環境大臣が3月2日閣議後の記者会見で、有明海にも、瀬戸内海法に準じた沿岸環境保全法の制定に前向きの姿勢を示したことに双手をあげて賛成したい。

http://www.sasayama.or.jp/diary/2001jan19.htm で私が書いたように、なくなられた山下弘文さんが御生前、有明海にも瀬戸内法のようなものができないものかと、常に、私どもにもらされていたことだからだ。

その場凌ぎの対策では、なかなかこのような広範囲の環境異変に対応できるものではない。
環境省発足初の快挙となることを期待したい。





水門をあければよいというものでもない。
(2001/03/04)


大臣が「諫早湾の 水門をあける季節は今がベスト」といわれる根拠が、私にとっては、今一つ分からない。

水温のあがる前、春の赤潮発生前、休眠シストが活発化する前、漁が本格化する前、など、いろいろな理由があるのだろうけれども。

でも、これ程、調整池の水質や底泥の環境が悪化してのちの開門であるからには、長期にわたる少しづつの開門や、台風や嵐の後など、調整池が大量で良質の淡水で薄まった時点での開門等しか、開門による悪影響を最小限にとどめることはできないのではなかろうか。

開門賛成派も反対派も。オランダ・ゼーランドやアメリカ・フロリダなどでの先進事例に学び、良く研究してから、ものをいってほしいものである。





まだまだ続く漁民の抗議行動( 2001/02/24)


一旦沈静したかにみえる有明海の漁民の抗議行動だが、漁民の不安は、春を迎え、むしろましているように見える。
春になれば、春の赤潮シーズンにはいるからだ。
漁民の不安に応えるのに、時間稼ぎは許されない。





山下弘文さんの命日までに問題解決を( 2001/02/24)


7月21日の山下弘文さんの命日までに、なんとか有明海の問題解決の目処をつけさせたいというのが、私の願いである。

国際的にいっても、ゴールドマン賞をもらった人の遺志を無視するようなことがあっては、恥だからである。

8月末までに事業再評価をしなければならないが、一部に、その期限延長を模索する動きがあると聞く。
しかし、その要件の一つである「社会経済情勢の変化」は明確なのであるから、これについては、整斉とやってもらわなければならない。

漁業関係者の意見も、盛り込んでいただかなくてはならない。
すべて、もう、まったなしなのである。




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