笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年7月24日 反グローバリズムの動きは、サミットの場だけではない。



新聞各紙が、参議院選挙の予想記事を昨日あたりから載せ始めた。

それによれば、野党完敗とのことである。

もし、そうなるとすれば、それは、ひとえに「小泉改革」に対するアンチテーゼを出しえなかった野党そのものの責任であるだろう。

各野党は、「改革の本家」を主張するばかりで、改革の先輩としての「改革の功罪論」を展開するにいたらなかった。

わずかに、社民党が、「改革の痛み論」を展開したのみであった。

しかし、あらゆる改革は、グローバリズムの潮流のもとでしか、なされえない。

改革の功罪論を展開するためには、したがって、反グローバリズムの視点がぜひとも必要となってくるのである。

現在の地方経済の疲弊は、まさに、グローバリズムが地方の経済循環をことごとく破壊してきていることに、その主要因がある。

まさに、野党はその一点をつかねばならなかったのに、そこで与党の改革論との差別化を図ることに、躊躇してしまった。

もう一つは、雇用対策についての知恵のなさである。

パートタイム労働を主体としたオランダモデルの日本型適用については、連合においても、労働市場の構造改革として、前向きの検討がなされていると聞く。

一方、旧労働省の「パートタイム労働者の均等処遇のものさしに関する研究会」いわゆる「ものさし研」では、そのための立法化に踏み切るまでの踏ん切りをつけていない。

しかし、いまや、リストラ風吹き荒れる日本の労働市場は、賃金ベースよりも一人でも多くの労働機会の創出が優先事項となっている以上、オランダモデルの日本型適用をいち早く訴えるべきだったのではなかったのか。参考―オランダモデル資料集

このオランダ・モデルこそ、グローバリズムに抗しうる小国の生み出した知恵なのだから。

俗にいえば、まともな給料をくれる一人のための職場の用意よりも、当座は、ややまともな給料ではないが、20人の雇用機会を与えるほうが、国民の痛みを感じる度合いはすくなくなるのである。

これは、まさに満員電車の哲学でもある。

いわば、「お互いこまったときは、徐々におつめになって。」の思想なのである。

当座をこれでしのぎながら、先の均衡処遇のための法制度化や、住宅ローン減税、衣食住の物価にかかわるデフレ策など、賃金低下に耐えうる諸条件の改善等の諸策を、徐じょに、展開していけばよいのだ。

これについて、わずかながら触れているのは、共産党にすぎなかった。

要すれば、今回の参議院選挙は、「改革ボケ選挙」だったといえる。

特に、問題の本質を見逃し、改革の本家争いに終始した、野党の責任は大きいといえる。


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