笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年1月6日 生を受け止め、農に生きる。

(掲示板から)



日本経済新聞元旦号の文化欄に出ている、元東大教授の近藤康男先生(現在農文協図書館館長)の随筆が、いろいろなところで話題をよんでいる。

特に、先生が75歳で大学を定年になられた後、102歳になられる現在まで、週一回、家庭菜園で農にいそしまれている、というくだりに、人々は、「おっ。すごいな」と、おもわれるらしい。

先生が農業経済を志されたのが、北海道の永山村の元屯田兵村のきびしい農民の暮らしを見られてのことだという。

以来、農民の「貧しさからの解放」を常に願いつつ、ここまで農一筋にこられたという。

先生のご長寿の秘訣は無抵抗主義であるという。

私も、みならいたいものとおもっている。

ところで、この日経新聞の一文では、先生は、まったく触れられていないのだが、先生は、太平洋戦争後、農林省の統計調査局長(現在の統計情報部)を勤められたことがある。

学究の方がなぜと思われるだろうが、これには、私の父がからんでいる。

戦後、GHQ体制のもとで、あらゆる統計業務を内閣一本にまとめるべしとの意見が、内閣統計委員会(事務局長美濃部亮吉氏)からだされた。

その理由が、農林省には統計の専門家がいない、とのことであった。

そこで、父が、当時の南原繁東大学長にお願いし、単なる統計のエキスパートというよりは、農業関係に明るい方として、近藤先生をご推薦いただいたのである。

近藤先生も、農業の実態をじかに把握することに、大いにご興味を示されたとのことである。

その後、父があることで南原学長にお会いした節、学長から、「近藤先生は、まだご用はお済みではありませんか。」と問われ、父が大いに恐縮したとのことである。

今回の一文でも、先生は、農林省にいかれたことについては、一言も触れられておられないところを見ると、やはり、学究の徒として、農に生きることに、本当の誇りをもたれているのではないかとも思う。


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