笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年8月20日 有明海沿岸の植物プランクトン発生と、珪酸塩との関係

7月25日にひらかれた第5回 農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会で、東委員が、調査項目の中に珪酸塩の項目がないのを指摘したのは、正解だ。

珪藻の生育に必須なのは、窒素・リン・珪酸塩それに砒素・銅などの金属類であることは、周知の事実だからだ。

ここで、東委員は、「諫早湾調整池内で土壌改良剤を相当使っておられるという話を聞いたものですから、土壌改良剤の中に相当たくさん珪酸塩になるものが入っているわけです。それとのかかわりがあるんではないか。」と指摘している。

一方、土壌固化剤への疑惑について、さきに政府は、コンクリートから二酸化珪素が流れ出していることはないと、否定している。

しかし、珪酸塩と植物プランクトン発生との関係については、いま世界の学会でも、いろいろな学説が飛び交っているようだ。

この珪酸塩クロの仮説にもとずくと、いろいろなことがわかってきそうだ。

土壌改良剤で珪酸塩をふくむものには、ゼオライトまたは、珪酸塩白土というものがある。( http://inpaku.paa.gr.jp/beer/engei.htm 参照)

また、洗剤にも、珪酸塩は、はいっている。( http://www.hi-ho.ne.jp/asawa/care2.htm 参照)

ちなみに、諫早湾締めきり後、調整池の水質悪化を防ぐため、市役所から各世帯に配られた「ブルーシー」なる、自然に優しいと称される洗剤にも、珪酸塩は、はいっている。( http://plaza9.mbn.or.jp/~bluesea/index3.html 参照)

私のオピニオン( http://www.sasayama.or.jp/opinion/S_26.htm )でも、「沿岸の植物プランクトンの発生を規定するのは、珪酸塩であるというのが通説。」と指摘しているのだが、
その他にも
http://www.saga-s.co.jp/pubt/ShinDB/Data/2001/06/23/004%5f01%2ehtml
のような説もある。

ここに、ライン川下流のオランダにおける実証モデルの報告 がある。

これによると、珪藻の増加に影響するのは、窒素よりも珪酸塩であるとの実証がなされている。

ここで、珪酸塩クロとの仮説を立て、オランダのように実証してみる必要があるのではなかろうか。

なお、全国的に赤潮大発生の中で、最近、諫早湾・福岡湾・伊勢湾で発生し、貧酸素水塊をひきおこし、アサリなどの斃死をまねいている新しい赤潮の原因である過鞭毛藻類のプロロセントリウム・ミニマム(
Prorocentrum minimum)については、日本自然保護協会 でも、重大視している

これは、マホガニーの色ににた茶色の赤潮であるところから、マホガニー・タイド(mahogany tide)と呼ばれているものである。( http://www.dnr.state.md.us/bay/monitoring/phyto/prorocentrum.html
http://www.mdsg.umd.edu/MarineNotes/May-June98/index.html参照)

この他、かってない規模でのクリプト藻類による赤潮-もっともこれがCryptophyceae のみの赤潮ということには、ちょっと疑問もありますが-も報告されている。

これらについても、早急に発生の原因を追求する必要がある


参考 第5回 農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会 抜粋

【東委員】
 先ほどの図1のモデルの中の栄養塩のところは、窒素とリンだけ書いてあるんですが、植物プランクトンとのかかわり、特に珪藻とのかかわりで珪酸が非常に大事だと思うんですけれども、これは入っているんでしょうか。
【田中計画課長】
 今のところ入っておりません、珪酸は。
【東委員】
 珪酸は入っていないんですか。
【田中計画課長】
 はい。
【東委員】
 前回いただいた調整池と諫早湾の水質調査結果の生データという資料1、たしかその前だったか、6月のときにもらった資料とこれは同じなんですけれども、調整池内と、外側の珪酸の値がものすごい違いますね、二百数十倍。私たちがはかったときはそんなに高くなかったんです、せいぜい10倍ぐらいだったんですが、これはたしか今年の3月のデータで非常に高い値が出ていて気になるものですから、6月のときにも申し上げたように、調整池内で土壌改良剤を相当使っておられるという話を聞いたものですから、土壌改良剤の中に相当たくさん珪酸塩になるものが入っているわけです。それとのかかわりがあるんではないか。しかも、去年の11月はたくさん雨が降りましたので。それの使用の量を農村振興局が提出してくださることをお約束されたんですけれども、まだもらっていないんですけれども、特に冬場のリゾソレニアが去年大発生したわけですけれども、そういう珪藻プランクトンの赤潮現象を起こすあれとして大きなファクターになっているんではないかと思うんですが、このモデルの中には入っていないけれども、別のところでやるということですか。
【田中計画課長】
 現時点では考えておりませんが、私ども内部のほうでも、今、先生がおっしゃったようなことも議論がありまして、珪酸等は計算項目として追加できるか、考慮できるかということを今詰めている段階でございまして、またその結果につきましてはご報告させていただきたいと思います。


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