笹山登生の発言・寸感アラカルト


2001年3月31日 諫早湾干拓問題の解決方向がみえてきた。

(掲示板から)





3月27日のノリ不作問題第三者委員会(有明海ノリ不作など対策関係調査検討委員会)の報告にそって、農林水産省がことをすすめたとすれば、今後の諫早干拓問題解決のだいたいの方向は見えてくるのではないか。

それは、私が4年前に提言した代替案と、極めて、にかよったものとなってくるのではないか。(つぎのURL参照http://www.sasayama.or.jp/policy/S_2_02.htm)

4年前の提言で、私は、

1.淡水化の放棄 

2.干拓農地面積を3分の1に圧縮 

3.前面堤防のセットバックと環境調和型の堤防への改変 

4.南北堤防の導流堤としての存続 

5.潮まじりを前提としての水門の防災的見地のみにたった弾力的コントロール 

の4点を提言した。

今回の第三者委員会で時期の明記はないが、水門の長期の開門調査をした場合、その後、再び淡水化に向け閉門することは、事実上不可能である。

なぜなら、今後のいかなる精緻な調査によっても、「有明海の生態系異変は、水門によるものである。」との結論も、「有明海の生態系異変は、水門によるものではない。」との結論も、おそらく断定的には得られないことは確実だからである。

諌早湾排水門とノリ不作との因果関係は、フロリダ湾のHAB原因究明のごとく、灰色(グレーゾーン)の形でしか、結論はえられないであろう。

そうなれば、漁業者の疑心暗鬼がかわらないかぎり、「疑わしきは、行わず。」の論理が優先し、再び淡水化に向け水門を閉じることは、99%不可能となるからである。

結果、淡水化の放棄につながらざるをえない。

「淡水化の放棄」は、このプロジェクトの基幹を変えうる重要なキーワードとなりうる。

水門コントロールは、防災のみを目的とし、潮まじりでおこなわれる。

管理水位を、マイナス1メートルに保つか保たないかの判断は、淡水化を放棄するのであれば、農地をどこまで縮小するかについてのみ、かかわる。

淡水化のもとでの管理水位管理と潮交じりでの管理水位管理とでは、その目的と方法がまったく異なってくるのだ。

防災に支障なければ、それは、0.5メートルでも0メートルでも、そのときの潮の状況で弾力的に判断すればよいし、そのためのコントロールシステムをつくりあげればよい。

これまでは、淡水化を放棄できなかったから、この点(マイナス1メートル)が、硬直的に捉えられすぎてきただけである。

私は、4年前の当時、0メートルの干潟線の状況から見て、縮小後の農地面積は当初計画の3分の1が適当と、判断したのだが、現在の干陸化は、それより多く進んでいる(約二分の一)ようだから、それはそのままでのこせばよい。

潮受け堤防も、県のほうで25億円をかけ、平成16年までに、堤防上の管理道路を広域農道にするべく、すでに計画中であるのだから、どっち、道を通すには、現在波打っている堤防の補強が必要なのだから、この機会に、護床工を中心とした開門のための補強工事も同時にしたらよい。

また、このアクセスの存在は、干潟エコツーリズムを可能とする、重要なポイントとなる。

旧堤防の補修は、必要最小限やることで、防災上は問題ない。

南北堤防も、すでに完成しているのだから、導流堤として、そのまま、存続させれば良い。

これが導流堤として機能することによって、樋門前の潟(ガタ)の計画的常時浚渫が可能となる。

問題は、前面堤防だ。

現在は、計画の遅れで、南北堤防と前面堤防とのあいだに、隙間があるのが救いである。(下記図参照)

これを、決して繋いではいけない。

そのままの状態でのこし、新たに、現在干陸化している部分の前面を、自然な流型をもった、環境調和型の自然に優しい堤防を作ることだ。

そうすると、現在建設中の前面堤防と自然調和型の堤防との間は、子供達にも安全な、絶好の潮入りゾーンとなる。

皮肉ではないが、この際、南北堤防から孤立してしまった前面堤防は、役立つ場面があるかどうかは別として、消波堤・緩衝堤か、あるいは、引き潮時、渡っていける楽しい「お台場」としての役割などを果たしてもらう。

こうすれば、現在干陸化している部分は、単なる農地利用だけでなく、エコツーリズムを目的とした自然環境レクリェーション・ゾーンとしても活用できることになる。

長崎県・農林水産省の賢明な御判断を望む。





地図は熊本日日新聞より引用


朝日新聞の空撮映像はここを参照

  

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