笹山登生の発言・寸感アラカルト


2000年12月24日 過疎地の通信回線は、広域無線LANか、有線か

(掲示板から)



情報ハイウェイ構想の先にあるもの
光ファイバーかADSLかの選択については,識者の間にも二つの見解が分かれているようにおもえます。
早く,ADSLについても,アメリカや韓国並の普及を急がねばという意見と,ADSLについては,どっちみち大きく水をあけられたのだから,ここで,一挙にラスト・ワン・マイルを光ファイバーにすることによって、今度は、逆に他国に差をつけてしまおう、という意見てす。

過疎地の通信回線についても,二つの意見が分かれるとおもいます。

どちらの選択をするにしても,では着実なところ、あと何年かかるのか,様子見できる状態なのか,もっと切迫した状態なのか、ということなのだとおもいます。

この点,各県の危機意識には、相当の差が、残念ながらついているのが、現実なのではないでしょうか。

情報ハイウェイ構想まではどの県でも立てるのですが,その先の見通しとなると,一部の県を除いては、まったく手付かずといったのが現実なのではないでしょうか。

残念ながら、わが秋田県にしても、同じような状況です。

立地企業サイドからいえば、通信回線の質量の有無が、立地を決める大きな決定要因になっているのですから,うかうかできません。

つなぎでも何でもいいから,とにかくより早い通信回線をというのが、過疎地のあせりに似た気持ちなのではないでしょうか。




無線LANも、有力な通信回線

次のURLは、広域無線LANの先進地、長野県安曇村の無線LANの実践記録です。

その中で、説得力を持つのは、水害時にも、通信回線は寸断されなかったことにより、全国から問い合わせが、殺到したとの記述があります。

強いていえば、無線LANの欠点は、セキュリティの確保に難点があること、動作が不安定であること、通信範囲が30キロメートル以内に限られること、などがあげられますが、私も。安曇村にいって、そのへんの状況なり功罪について、確かめにいきたいと思っております。

なお、Kさんのいわれる、通信インフラを、民間業者に任せるのか、それとも自治体が主導権を発揮し、自治体の責任において、通信回線を構築するのかについてのことですが、先に紹介した、「
いい過疎地ネット」の提言では、基本的な通信回線についしては県が主体となって構築すべし、との提言をしております。

私も、その点にかんしては、その通りにすすめるべきだと思っております。


無線LANの功罪と過疎地での事業主体


Sさん,ご専門のお立場からお教えいただきまして、ありがとうございました。

ところで、安曇村での無線LANの例は、若干古い事例でしたので,現在の無線LANの実力はどんなものか,Web上ではわからない面もあったのですが、現状はどうなのでしょうか。

この際お教えいただきますれば幸いです。

Kさん,いつも的確なご指摘ありがとうございます。

過疎地ネットでの主体がどこなのか、ごもっともなご指摘かとぞんじます。

「いい過疎地ネット」の提言では、複数市町村などが参加することによって、1自治体あたりの財政負担が抑えられうるという観点から,そのような提言がなされているようです。

もちろん、県境地域の事業主体をどうするのかは,テレビ時代の難視聴地域と同じように、ひとつの県だけの対応では,不採算な点が出てくると思います。


開発途上の無線LAN方式は,いろいろある
Sさん,専門的な見地からのご助言、ありがとうごさいました。

AWAというキーワードでしらべてみたら、この類の開発途上の技術は,いや,あるはあるは(上記URL参照),そのそれぞれが今後5年以内に実用化されようというのですから、びっくりしました。

この調子では、確かに先を見据えて<恒久的なシステムを組むということは,このことひとつとってみても不可能ですね。

おっしゃるように、少なくとも5年以内に陳腐化しない,または,グレードアップしうるシステムを,どう,コストパフォーマンスを考えながら、構築していくか,ということなのでしょう。

いや、勉強になりました。

無線LANをめぐる都会と地方の思惑の格差
無線LANの技術情報を追っていくうちに、どうも、この技術にかかわるマーケットの関心は、モバイルの形の中で、無線LANをどう活用していくか(例えば、自動車の中で、高速大容量の無線回線がつながり、リアルタイムの映像情報が双方向で実現できることなどへの活用)に、重きがある様にかんじられました。

Kさんのいわれる過疎地での広域無線LANは、その技術の成熟化によって派生的には充実してくるものでしょうが、どうもメインには据えられていないというのが、率直な感想です。

その点では、Sさんが、かねてからいわれていた現実なのだと、認識しました。
発展する技術は、やはり需要がなければ、伸びません。

そのトレンドを修正しうるのが、政治の働きなのだとおもいます。

そして、Sさんのいわれるように、ソフト・ハード足並みをそろえた総合力を地域が備えることが、いま必要なのだと思います。

Kさんのいわれるように、都市と地方の情報格差は縮まっていると思いますが、「情報のストロー現象」というべきものも起こりつつあるのではないでしょうか。

例えば、産直のe化によって、得する地域、追いつけない地域の差が、これから出てくるはずです。
農協の経済事業も、中抜きになって、生産者にとっては、よいこともあるでしょうし、また悪いこともあるでしょう。

そこに至る総合的な地域のIT化ビジョンというものを、具体的な形で、いま構築しなければならない時期にあるとおもいます。



コミュニティとしての利用形態の可能性

地域LANにするのか--村の利用者がいちいちダイヤルアップしないでも、常時接続で、そのコミュニティ独自の多岐の利用ができるのか--、携帯無線の活用によって、そのコミュニティ独自の利用はなくとも、コスト・パフォーマンスが得られるのか、の選択が必要ということなのでしようかね。

今のCATVインターネットの無線版というものを想定すると、無線LANなるもののイメージが良く分かるのではないでしょうか。

今のCATVインターネットの「うり」は、安い、早い、常時接続である、ということで、コミュニティ独自の双方向のメディアという位置付けにはなっておりません。
過疎地の場合はどうなのでしょう。

先にあげた安曇村の例では、観光利用などというメリットをあげておりますが、実際のところどのような地域独自の利用形態があるのかについても、考えていかなければなりませんね。

貴重な問題提起、ありがとうございました



Kさん、Sさん、無線による通信回線についての貴重な問題提起ありがとうございました。

そうですね。
Kさんの無線による通信回線の問題提起は、よかったとおもいますよ。

日本や世界の技術レベルや実施の事例などが、認識できて、ああ、こんな使い方も考えられているのか、というのが、率直な感想です。

そして、Sさんの、技術の陳腐化とコストパフォーマンスを考えてのシステム選択をすべきという御意見も、IT化の展望を考える上での大事なポイントだとおもいました。

IT化というと、すぐインターネットということになりがちですが、先にSさんが紹介された、全国の事例を見ると、これまでの防災無線の双方向型とか、先の市民農園論議ででたような広域監視システム、お年寄りの徘徊対策も含めた福祉分野への応用など、地域での無線ならではの利用方法もあることがわかりました。

今のインターネットの世界では、地域情報ですむものも、全世界にWeb配信されていますし、逆に、アクセスする側からすれば、結局はローカルなキーワードを使って、身ぢかにあるサイトにアクセスしている、という現象も見られます。

しかし、地域情報発信が少ないものだから、結局、情報発信の多いところの情報は豊富なのに、身近かな情報の不足に悩まされるということになっている面もある様です。

本来は、地域のコミュニティサイトで賑やかになるような、その地域のうまいもの店情報の交換場所が、市役所HPの掲示板というのは、情報コミュニティの貧困というか、ちょっとうすら寒い気持ちもしなくもありません。

ですから、広域地域ネットワークの効用は、このような情報ニーズにこたえうる、御当地限定情報の仕切りを、システム上ですることによって、情報の緊密感がますという効用というようなものが、あるのではないでしょうか。

もっとも、これに対しては、間口を全世界規模で広くとっていれば、広くも狭くもできるではないか、という反論がありそうですが。






過疎地における通信回線のあり方について(中間的なとりまとめ)



過疎地の通信回線を、いかなるものとするかについて、私が、光ファイバーかADSLかの問題提起をしました。

そこで、「いい過疎地ネット」さんの方から、公的助成を伴った低コストのADSL回線設置の具体的提案がありました。

私も、それに対し賛同の意を表しました。

それについて、Kさんから、ADSLは、既存の通信回線に逆行するものであり、過疎地であっても、光ファイバーの設置を基礎的インフラにするか、そうでなければ、無線による通信回線が適しているのではないかというご提案がありました。

そこで、私のほうから、広域無線通信の例として長野県安曇村で行われている実践例をご紹介もうしあげました。

それに対し、Sさんの方から、無線による通信回線と無線LANとは区別して考えるべきであること、これらのシステムは急速に陳腐化するものであるから、ニーズの時期によって、選択しうる通信回線なりシステムは、考慮すべきものであること、携帯電話によるインターネットと地域無線LAN通信回線との得失も考えるべきとのご提案がありました。

これに対し、Kさんのほうから、中国などの例に挙げられ、中国では、圧倒的に有線よりも無線であり、日本の過疎地の通信事情にも、それに類した考え方をしていいのではないか、また、地域情報センター的な役割を、広域地域無線ネットによってはたせるのではないか、というご提案がありました。

その後、コスト論にはいり、携帯電話と広域無線LANとの比較、あるいは、広域無線LANの地域に果たす機能の比較、コストパフォーマンスとのについての比較論が展開されているところです。

さらに、同時使用における有線と無線とのキャパシティの比較やその点でのコストパフォーマンスについての比較論、過疎地の地域特性に応じた層別対応の必要性、についての議論も展開されいています。
また、デジタル電話回線網から過疎地が抜ける事の功罪論、既成の通信インフラの再利用よりも、過疎地への新たな情報デバイスの設置のほうが、結局は近道なのではないか、過疎地における光ファイバーと既成の通信インフラ(あるいは,通信インフラに利用可能な電力線などを含む諸インフラ)との,ハイブリッド利用も検討されるべきではないか、などについても,論議が展開されています。

今後の展開としては、過疎地では、いかなるニューメディアによる機能の社会的要請が今後考えられ、そのニーズをまかなうために、いかなる通信回線が必要かつ十分なのかについての議論が残っております。

この論議で参考にされたURL一覧


http://www.zdnet.co.jp/interopmag/news/9909/990909_01.html

http://bunnahabhain.root-hq.com/jp/html/products/RGW2400.html

http://www.nifty.com/connect/adsl/service.htm

http://www.omron.co.jp/ped-j/product/md/me144kti/me144kti.htm

http://www.root-hq.com/jp/html/case.html

http://www.root-hq.com/jp/html/products/RTB2400.html

http://www.root-hq.com/jp/html/case/nagano.html

http://www.root-hq.com/jp/html/case/matsuyama.html

http://www.cybernetwork.ne.jp/cyber-1.html

http://www.cybernetwork.ne.jp/cyber-6.html

http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/w/wla-l11/index.html

http://www.nicchu.com/shenzhen/life/l13.html

http://www.sig-c.co.jp/Solution/RTB.htm

http://www.nikkeimac.com/editorial/smatsu/azumi.hts


http://www.sel.cs.hiroshima-cu.ac.jp/~ohba/yos

http://www.can.or.jp/newsletter/13/hi

http://www.speednet.co.jp/ura.htmlhiwa/townnet.html

http://www.sel.cs.hiroshima-cu.ac.jp/~ohba/yos http://www.nikkeimac.com/editorial/smatsu/azumi

http://www.cybernetwork.ne.jp/~bbs/bbs/nbbs.cgi/system.hts hiwa/townnet.html

http://www.page.sannet.ne.jp/momizi/
参考1
アクセス系の研究開発成果として紹介されたのは,無線系のAWA(Advanced Wireless Access)と5GHz帯無線LAN,それに有線系のFTTHトライアル実験だっ た。AWAは公衆,構内のいずれでも使えるいわば「PHS型」の無線アクセスの超高速版で,1チャネル20MHzの帯域幅で36Mbpsもの高速通信が可能。一つの基地局あたり最大128ユーザを収容し,ユーザごとに最低帯域を保証する一方,異なる要求に対して必要な帯域を割り当てたり上下非対称の回線設定などもできるとしている。
このAWAの1形態として5GHz帯無線LANも紹介した。現在,実用化が始まっている2.4GHz帯の無線LANが電磁調理器などとの電波の干渉を防ぐ必要があるのに対 して,5GHz帯は制約が少なく,それだけ一定の帯域幅当たりの通信速度を大きくすることができる。今回は20Mbpsのデモで,伝送方式はOFDM(直交周波数分割多 重)という多重波干渉に強い方式である

参考2
そのひとつにNTTで研究開発が進められているAWA(Advanced Wireless Access)がある。屋内外において一般のLAN環境と同レベルの高速通信をワイヤレスで実現するというもので、データ伝送を行う携帯端末から屋内外に設置された基地局に無線でアクセスする。基地局から先はATM(Asynchronous Transfer Mode)、Ethernet、NTTの地域 IP網など多彩なネットワークに対応している。また、インターネット技術として最近注目され始めているQoS制御や放送型のチャネルを具備し、今後ネットワークと連動したサービスの開発が予定されている。
 このように、AWAは、携帯端末で大容量の情報を「いつでも、どこでも」活用できる環境をつくり出し、マルチメディア通信の飛躍的な進歩をもたらすものとして期待されている。

参考3
注目を集める端末側の無線ATM
 展示の中でも注目を集めたのは,NTTの「多地点TV会議伝送システム」。これは,高速なデータ伝送ができるATM(非同期転送モード)をコンピューター・ネットワークの端末側で無線通信を使って実現しようというAWA(ATM Wireless Access)の実験だ。25GHz帯を使って最大80Mbpsの伝送速度を確保した。
 実験用機器のため,無線装置はタワー型パソコン並みの大きさだ。ディスプレイの奥にある2本の白い棒が端末側のアンテナ,会場の奥にあるスタンド付きの黒い棒(人物の横)が有線のバックボーン・ネットワークにつながる無線基地局アンテナ。将来は無線機能付きの小型携帯パソコンを使ってビデオ会議や動画を含んだデータ検索/表示などを実現することを目指している。
 また,郵政省通信総合研究所が高速な無線LANの実現を目指して開発を進めている「60GHz帯高速(156Mbps)伝送システム」,松下通信工業が25GHz帯を使ったビデオ・オン・デマンド・システム「AWA(ATM Wireless Access)と高速MPEG2 VODシステム」を展示した。

参考4
ワイヤレスATMの背景
 ATMは、全ての情報を53バイトの固定長のセルで送ることにより、さまざまな種類の情報を効率良く伝送・交換することを可能としている。このため、音声、画像、データを含むマルチメディア通信に適した通信方式である。有線の世界では、バックボーン系から徐々に導入が開始され、VOD、デスクトップTV会議等のマルチメディアアプリケーションの登場によりデスクトップ環境(LAN環境)でも使用され始めている。
 ワイヤレスATMは、無線区間の伝送方式にATMを適用することにより、ワイヤレスの高速化、マルチメディア化を狙いとして、研究開発が進められている。
ワイヤレスATMの適用形態としては、無線LAN、公衆網の両方が検討されている。図1にマイクロセルを用いたワイヤレスATMネットワーク(無線LAN)の構成例を示す。公衆網への適用においては、第3世代(1.2.1項参照)に位置づけられており、移動端末とベースステーション間だけではなく、ベースステーションと移動用交換局との間のリンクへの適応も検討されている[2]。

参考5
現在国内で無免許で使用できる特定小電力無線機器は,見通し可能な屋外で2点間の固定接続の場合, 最高5キロメートル程度の到達性しかない.無指向性のアンテナを用いると,半径数百メートル程度しか到達しない.
これに対し,同帯域で出力を50mWにした無線LANでは,見通し可能な屋外で2点間の固定接続の場合, 最高8キロメートル,無指向性のアンテナを用いても半径3キロメートルまで到達するものがある.  

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